パナソニック・トヨタ・レーシングの4日間に渡る、カタルニア・サーキットでの新型“TF106”初テスト最終日は、悪天候で迎えることとなった。雨は止むことなく、チームは予定されていたプログラムを諦め、昼食後、テストを断念。来週ヘレスで行われるF1合同テストに向け集中することとなった。
ラルフ・シューマッハー
「今日は有意義な何かを行うためには雨が強すぎた。コンディション次第ではウェットタイヤのテストを行えることもあるが、今日の路面はあまりに大量の雨で覆われていた。そのために、アクアプレーニングの危険があり、検討の結果、早くプログラムを終了せざるを得なかった。新型“TF106”とブリヂストンタイヤで2日間フルに走行できることを望んでいたが、天候に阻まれることになってしまった。とはいえ、木曜日に走行出来たことで、“TF106”には良い印象を得ることが出来た。早い時期から新しいパッケージを導入し、開幕戦のバーレーンへ向けて開発出来るのは良いことであり、チームの組織と“TF106”のポテンシャルの双方に感銘を受けている。我々は冬季に集中的なテストスケジュールを立てており、来週のヘレステストではより多くを学ぶことになるだろう」
リカルド・ゾンタ
「今日はあまり語るべきことがない。ただ言えるのは怖かったということだ。いくつかの電子回路のチェックと、路面状態がテスト出来るかどうかを見るために走ってみたが、とても無理だった。出来ればウェットタイヤのテストも行いたかったのだが、今日はあまりに雨が強く、ストレートですら、全開で走ることは不可能だった。この時期の天候は当てにならず、今日の結果は仕方ないが、それでも我々は昨日までの3日間で十分に学び、非常に前向きな印象のままテストを終えることとなった。ブリヂストンタイヤとの作業では、シミュレーション作業での確認だけでなく、いくつかの異なったコンパウンドを試すことも出来た」
雨に祟られたバルセロナのF1合同テスト最終日であったが、その悪天候にも関わらず、ブリヂストンタイヤとの初テストであったパナソニック・トヨタ・レーシングをはじめとするいくつかのチームがピットに残っていた。皮肉にも来週のヘレステストでは、人工的にウェット路面を造り出すことになるかも知れない。
ディーター・ガス
チーフ・レース・エンジニア
「全てのウェット路面が同じというわけではない。今日は雨が強すぎ、ストレートですらフルスロットルに出来ないような状況では、アクシデントのリスクが高すぎると判断した。我々が人工的にウェットコンディションを造り出す理由は、コントロールされたコンディションの下でテストを行うためだ。自然の雨の下では、一貫したコンディションを得ることが出来ず、このことはタイヤの評価を非常に難しくする。レースにおいては、直面する様々なコンディションに対処しなくてはならないが、テストでは一貫性が必要なのだ。今回のテストは、全体的に見れば非常に良いテストであった。我々はブリヂストンタイヤと作業を行ってきたが、まだ慣れる必要があり、今後も重要なプログラムが続く。また、他にも多くの成果があった。特に大きな問題もなく新型“TF106”のシェイクダウンを行えたことは非常に重要で、パフォーマンスは有望と思える」