ルノー・ワールド・シリーズのチャンピオン、ロバート・クビカは、木曜日に行われたバルセロナの合同テストに参加、フォーミュラ・ワンの初ドライブを経験、ポジティブな印象を残してテストを終えた。
ポーランド人ドライバー、クビカは水曜日にテストチームに合流、フランク・モンタニー、ホセ・マリア・ロペスとピットとの無線のやりとりを聞いて実際の作業の感覚を学んだ。翌日、フェルナンド・アロンソがチャンピオンを獲得したマシン、ルノーR25のステアリングを握って41周を走り1分17秒997のファステストを記録した。そのタイムはこの日走った14台中10番目のタイムであった。
「一歩前進できたということを素直に嬉しいと思う」とクビカ。彼はマカオで行われたF3のイベントに参加して2位となり、その足で直接バルセロナに赴いた。
「チームはラップタイムそのものよりも、僕がどんな風に作業をするか、車に関して彼らにどうフィードバックできるのかということに興味があったみたいだ。周回ごとにいい走りをするよう努めたし、特にミスはなかったよ。その点ではうまくいった一日だったね」
「走り始めた時はすごく寒かったんだけど、タイヤとブレーキを暖めるために早めにアタックしたんだ。ワールド・シリーズのマシンと比べてそんなに大きな差は無いだろうと思っていたんだ。ヨーロッパで最速のレーシングカーであるGP2のマシンとほぼ同じだからね。でも、以前にもF1マシンは見たことはあったんだけど、それでもコーナリングスピードの速さは別格だった」
クビカはこのテストに、元ルノーV6のチャンピオン、ジョルジオ・モンディーニとともに招かれていたが、彼はこのテストにおいて、来年のマシンの開発に直接役割を果たしたわけではない。開発作業はレギュラーテストドライバーのモンタニーが担当した。
「来年使うV8エンジンのパワーレベルをシミュレーションするために、パワーを落としたV10エンジンを積んだR25をドライブしたんだ」とクビカ。
「チームは、ドライブしやすいようなセッティングにしてくれて、僕らは細かい点の微調整を行った。でもセットアップの変更というには程遠いね。学ぶことがたくさんあるよ」
まだ20歳のクビカは、初めてF1マシンを体験したが、2006年にF1をドライブできるとは考えてはいない。F1の“ウェイティングルーム”には、多くの優れた若いドライバーがおり、その中の1人として、自分の評価を確固たるものにしなければならない。
「1週間後には21節のイベントに戻る。ヨーロッパでキャリアを続けることが僕の目標だ」というクビカは、来シーズン、チャンプカーに参戦するのではないかというウワサを否定した。
「今の時点では、GP2がベストな選択肢だと思っている。F1の世界に少しだけ近づくからね」
クビカはすでにGP2マシンのテストを精力的に行ってはいるが、2006年に残されたシートの数はわずかしかない。