28日、F1のオフシーズンテストがスタートし、マクラーレンとBMWザウバーがバルセロナのカタルニア・サーキットで走行を行った。この日、トップタイムをマークしたのは、マクラーレンをドライブしたゲイリー・パフェットだった。

　2005年DTMチャンピオン、パフェットは、マクラーレンの2006年用メルセデスV8エンジンを搭載したマクラーレンの暫定マシン、MP4-20Bをドライブした。イギリス出身のパフェットは、かつて“マクラーレン・オートスポーツBRDCヤング・ドライバー・オブ・ザ・イヤー”を受賞し、同チームのテストに参加した経歴を持つ。この日は57周を走りきり、ベストタイムは1分20秒586だった。
　パフェットは次のように語った。
「2年以上たって再びF1マシンをドライブすることができて、すごく嬉しいよ。マクラーレン・メルセデスとのテストは、特に楽しい。たくさんの経験が積めたし、250km以上走りきったよ」
「僕にはコーナーリングのスピードとブレーキングが、もっとも印象深かった。だけど、3年前に感じたF3マシンとF1マシンの違いと比べると、今回DTMとF1マシンの間にはそれほど大きな違いは感じなかった。技術者たちと協力し合うという点では、DTMでの経験がすごくプラスになっている。明日もテストを続けるのを楽しみにしているよ」
　メルセデスベンツ・モータースポーツのノルベルト・ハウグは、パフェットのパフォーマンスに“満足している”と述べた。
「このテストは、ゲイリーがDTMタイトルを獲得したご褒美という意味合いだけのものではなかった」とハウグは説明する。
「ゲイリーは、2006年シーズン、我々の開発プログラムに加わることになっている。彼は今日、新しいV8エンジンを搭載したマシンで57周し、技術者に貴重なデータを提供した。来季に向けた準備プログラムの初日、テストチームはゲイリーの働きに満足していた。彼はチームとともに好スタートを切ったよ」

　同チームのテストドライバー、アレクサンダー・ブルツもまた、新しいV8エンジンを搭載したMP4-20Bをドライブしたが、午前中にトランスミッションのトラブルに見舞われ、その後ハイドロリック系のトラブルも発生し、10周しか走れなかった。
「今日、カタルニア・サーキットで活動を再開できたのはよかった。でも、マシンに小さなトラブルが起きたせいで十分走りこめなかった。トラブルはもう解決できたけどね」とブルツ。
「メルセデスベンツV8を本当の意味で経験するためにも、明日ステアリングを握るのが楽しみだ。もっと周回数を重ねられるといいね」
　マクラーレン以外に参加したのは、BMWザウバーのレギュラードライバー、ニック・ハイドフェルドだけだった。彼はBMW P86 V8エンジンを搭載したザウバーC24Bをドライブし、30周を走行した。午前中は順調に走行したものの、午後になってエンジンに不安要素があったため、エンジニアがプログラムを早めにストップした。ハイドフェルドのベストタイムは1分21秒356で、マクラーレン勢よりもおよそコンマ8秒遅れだった。
　ハイドフェルドは次のように話した。
「ほぼ3カ月間のインターバルがあり、この初テストが待ちきれなかったよ」
「午前中はシャシーとエンジンは問題なく走っていた。全てのシステムが完璧にうまくいっていた」
「もちろん、V10と比較してパフォーマンスの違いは分かるよ。これは慣れていくしかない。思ったよりエンジンの振動が少ないのは、嬉しい驚きだった。午後は、早めに仕事を切り上げなくてはならなかった。エンジニアがデータ上でトラブルを見つけ、僕にエンジンを切るように言ったんだ」
　テストは翌日も続けられ、ウイリアムズ、トヨタ、レッドブル、トロ・ロッソの4チームが加わる予定だ。

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