トヨタのヤルノ・トゥルーリは、2005年のドライバーズ選手権を総合7位で終え、同僚のラルフ・シューマッハーには2ポイント及ばなかった。そのトゥルーリが、トヨタでの1年目を振り返り、このチームへの移籍がなぜ最高の選択だったと思うかを説明する。

Q：ヤルノ、トヨタで過ごした1年目のシーズンをどう評価しますか？
ヤルノ・トゥルーリ（以下JT）：自分には、10点満点で8点か9点をあげたいね。レースではよくやったし、予選の成績はすごくよかったし、いつもマシンから最大限を引き出した。

Q：10点満点を取るには、何が必要ですか？
JT：シーズンの終盤はあまりうまくいかなかった。シーズン中盤にはいくつか問題があって、少なくとも3度か4度は表彰台のチャンスを逃してしまったね。うまく表彰台に上れていれば、9.9点はつけられたと思う。10点をつけられるのは、チャンピオンを獲った時だけだよ！

Q：今季のトヨタには、嬉しい形で驚かされたといえるでしょうね？
JT：このチームに移籍したことは、僕の人生で最良の選択だった。ここで出会った人たちは責任感が強く、すごく仕事熱心で、このスポーツに対する情熱にあふれていた。このチームがこんなにレベルが高く、マシンのパフォーマンスがこんなによくて、意気込みも素晴らしいとは予想していなかった。シーズンの滑り出しがあまりによかったので、ポテンシャルを出し切ることができれば他チームをみんなやっつけられると思ったんだけど、残念ながら、F1では経験がかなりものを言う。リソースはあるけれど、僕らはまだ若いチームだから、それをうまく活用することを学ばなくてはならないんだ。シーズン半ばには、他チームが追いついてきてしまい、シーズンの終わりは厳しいものだったが、それでも僕は、常に予選でトップ5を争っていた。それはすごく素晴らしいことだし、シーズン初めには、そうなるなんて夢にも思わなかったよ。

Q：乗り越えなくてはならなかった最大の問題は何でしたか？
JT：正直言って、たいして大きな問題はなかったよ。チームが新しかったから、僕らはお互いに、すんなりとなじんでいくことができたんだ。マシンはOKで、主な問題は、いくつかのレースで不運に見舞われたことだった。スパはかなりガッカリさせられたし、カナダでは、表彰台が見えていたのに、あとたった7周というところでブレーキトラブルに見舞われた。ニュルブルクリンクでは、スタート時のトラブルさえなければ優勝争いができたはずで、モナコでも、表彰台に乗れていたはずだったと思う。

Q：今年のベストレースはどれだったと思いますか？
JT：難しいね。もちろん、表彰台に乗れれば“いいレース”だと言えるけど、今年はあまりにもたくさんいいレースがあったから、そのうちで“一番の”レースを選ぶのは難しいよ。バルセロナはすごくいいレースだったし、スパでもものすごくうまくやっていた。そして、マレーシアとバーレーンもあるね。ニュルブルクリンクとカナダも、いいレースになったはずだった。人にとっては結果が大事だけれど、ドライバーとしてはレースを分析しなくちゃならないんだ。結果はただの数字に過ぎないからね。

Q：トヨタはどこに改善の余地がありますか？　単に経験が足りないだけですか？
JT：研究開発の面ではチームはうまくやっていると思うけれど、さらに頑張って働いたり、さらにリアクションを速くしたりということは、常に可能だからね。空力に関しても、もっとよくすることができる。シーズンを通じて、リアクションがどんどん速くなっていくことが大事なんだ。最初からいいマシンを作ることも重要だが、チャンピオンを獲ろうと思ったら、年間を通じて開発の力を維持することも重要だ。

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