フェラーリのミハエル・シューマッハーは、カナダGPで表彰台に上がり、シャンペンを浴びるチャンスに恵まれた。だが、そのモントリオールの結果は、必ずしもフェラーリがライバルたちの中から抜きん出たことを示す吉兆ではないと認めている。
シューマッハーは優勝者キミ・ライコネンのすぐ後ろでチェッカーフラッグを受けたが、フロントランナーたちのレース離脱がなければ、これほどの上位でフィニッシュすることはなかったと認識している。レース中、ルノー勢は2台ともリタイアを喫し、BARのジェンソン・バトンはウォールの餌食となり、さらにマクラーレンのファン‐パブロ・モントーヤは失格処分を科されたのだ。
「正確に本当のことをコメントするのは難しいよ。僕自身は自分のレースをしたが、他のドライバーがどうしていたのか分かっていないからね」とシューマッハー。
「レース序盤、自分たちの燃料搭載量から考えても、僕らがコンペティティブではないのは明らかだった。だが、1回目のピットストップの後、自分のペースがぐんと良くなったと思ったけれど、他のドライバーに比べてどうかというのは分からないな」
シューマッハーと、同じフロントロウに並んだジェンソン・バトンのふたりは、スタート直後にそのポジションを失った。それぞれの1回目のピットストップで判明することだが、軽めの燃料で逃げ切るという彼らの願いは、その時点で打ち砕かれてしまった。「ただ単に、僕らは後退し、他のドライバーたちが前に出ただけのことだ」シューマッハーはそう切り出した。
「僕らはグリップが足りなかったし、僕らを除いた全員が素晴らしいスタートを決めたんだと思う。みんなが僕らを楽々とパスしていった。とりわけルノー勢だけがそうだったわけではないと思う」
「僕は何もできなかった。レース序盤にやりすぎる理由もなかったけど、屈するほかに手立てがなかったんだ。レース全体を通して見れば、トップ集団を追いかけ、それなりの速さで走行するといったパフォーマンスを見せられる場面が間違いなくあっただろう。が、それは金曜日の時点では、はっきりしていなかった―― 実際には、全然分かっていなかったんだ。でも、僕らはマシンを非常に前進させていた。これからはそのマシンパッケージの良さを、いつでもあらゆる路面コンディションで正しく発揮させる必要がある。今回の戦略上、2位でレースを終えられるとは考えていなかったし、そういった面では喜ばしいことだけどね」
レース終盤、シューマッハー対ライコネンの一騎打ちの闘いが展開された。シューマッハーはレースリーダーとのギャップを縮め、今季初勝利も起こり得るように見えた。
「僕は、キミよりもわずかに速いとまではいかなくても、ほぼ同じくらいのペースで走っていたと思う。しかし彼をパスするには、十分な速さが足りなかった」とシューマッハー。
「もちろん、何か変わったことが起きればと願ってはいたし、彼はあるコーナーで膨らみ、あと少しで僕の願いを叶えてくれそうだったよ。でも、僕がそのチャンスを生かせるようなところに近づくまで、彼は待っていてくれなかったんだ!」