FIA会長マックス・モズレーは報道陣との昼食会で、フェラーリが圧倒的優位な現状に関して、それぞれのチームがフェラーリを徹底的に調査し、対策を立て、攻め込むべきだと語った。
また、最近のチームオーナーたちのFIAに対する批判に対し、フェラーリの勢いをとめるのはFIAの仕事ではない、とモズレーは語っている。フェラーリの独占によってF1をつまらなくしているのは、ライバルチームの落ち度であり、FIAがフェラーリをひいきしているなどの指摘をする前にそれぞれのチームは、自分達のパフォーマンスを見直すべきだと主張している。
「フェラーリがF1をつまらなくしているとは思わない」とモズレー。「ウイリアムズとマクラーレン、またルノーやBARといったチームらもそうだが、彼らがレースを台無しにしている。なぜなら彼らの作業が十分でないのが原因であるからだ。フェラーリに負けてしまうのはフェラーリのせいではないし、フェラーリに勝てるかどうかはフェラーリ以外のチームの努力次第だ。もし私が(ミハエル)シューマッハーを規制によって遅くすることができるのであればもうしているよ。だがそうすることはできない。その作業はフェラーリ以外の4チームのエンジニアの仕事であり、チームの責任者の仕事だ」
モズレーは特に、FIAがフェラーリに偏った見方をしているとの意見に腹を立てている。フェラーリが、周囲の予想に反して、現在のコンコルド協定の延長に署名をしたという最近の発表がその憶測の根源である。フェラーリが延長に同意する前にその他の9チームは何の相談も受けていなかったと主張し、フェラーリは自分たちよりも財政面で多くの優遇措置をオファーされたのではないかと疑っている。
「最悪なのは、彼らは、我々がフェラーリを助けていると吹聴していることだ」モズレーはロイターに対してそう語っている「しかし、我々がフェラーリを助けるなんてことを間違ってもやるわけはない」
「フェラーリは、少なくともこの10年、参加チームに配分された金額より多くの資金があったことは間違いない。しかし、フェラーリが最大の予算を持っていたというのは、フォーミュラ・ワンでの間違ったウワサのひとつだと正直思っている」
「比較してみれば分かるだろう。フェラーリは、例えばマクラーレン、ウイリアムズあるいはBARといったチームより、かなり多くスポンサーから資金を得ていたことは確かだと思う。しかし彼らは、自分たちのエンジン、リサーチ、そして開発のために多くを支払わねばならないのだ」