BARのチームボス、デイビッド・リチャーズは、過日にリージェントストリートでF1のデモンストレーションが行われたものの、ロンドンでF1のストリートレースが開催されることはないだろうという見解を示した。
先日のF1イベントでは、現在F1に参戦する10チームのうち8チームがイギリスGPに先立ち、ロンドン中心街でデモランを行って観衆を大いに沸かせた。これを期に、将来はシルバーストンに代わる形かイギリスで2つ目のGPとしてロンドンでのストリートレースが開催されるのではという憶測に火がついた。実際、ケン・リビングストーン ロンドン市長も、F1の商業権を握るバーニー・エクレストンに対し、ストリートレースの開催を願い出ている。これに対し、リチャーズはロンドンでのストリートレースは開催されないだろうと見ている。
「非現実的なアイディアだ。ロジスティクス面を考えるとほとんど不可能だし費用もかかる。GPを行うとなると都市機能が何日もストップしざるを得ないし、安全性の問題も多々ある。また、古い建物についてはエンジン音による振動の問題がある」
「モナコGPは、テレビで観戦する限り、のどかに見えるが、実際には、GPの時はすべての住民がどこかに出かける。いつもの生活をがらりと変えなければならず、通常の仕事を行うことはほとんど不可能だ
リチャーズは、ロンドンGPについて実現はないと見ている一方、このままシルバーストンの改修が行われない場合は、海外のサーキットで新たなイベントが行われる可能性が高いと主張した。
「世界中で新しいサーキットがオープンしている。みんなGPをホストしたいと考えているのだが、F1が開けるようなサーキットは僅かしかない」
「すべては金の問題だ。もし、海外の新しいサーキットへ行ってGPを開いた方が利益が上がるというのなら、シルバーストンのような既存のサーキットはイベントの質の向上に努めていかなければならない」
エクレストンはシルバーストンについて、これまで繰り返し「改修の必要があるおんぼろ家」だと言及し、大体数のF1チームがイギリスに本部を置いているものの、シルバーストンがカレンダーから消える可能性があることを2年に1度は警告してきた。