ゲイリー・パフェットは、今季のDTMでの活躍によって、来季、F1にステップアップできるかもしれない。そのパフォーマンスが、ペーター・ザウバーの目に止まったのだ。
パフェットは、何年か前に、オートスポーツ・ヤングドライバー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞してマクラーレンでのテストを経験したこともあり、また、ジョーダンのシート争いに加わっていたこともあった(結局はラルフ・ファーマンに破れたが)。その後、DTMでメルセデスのシートを得たパフェットは、最初はプライベーターのロズベルグのチームで走っていたが、今季は、ワークスのAMGチームで走るようになった。イギリス出身のパフェットは、そのおかげで、今年最も活躍しているドライバーとなり、2度の優勝に加えて、この週末に行われた上海での非選手権イベントでも優勝した(実際にはあと1勝しているが、レース後の車検でレギュレーション違反が発覚し、優勝を取り消されている)。
イギリスのメディアの報道によるとパフェットは、GPの週末にザウバーの3台目のマシンをドライブする、初めてのドライバーとなるかもしれないという。ハンガリーGPの金曜に、レギュラーのジャンカルロ・フィジケラとフェリペ・マッサのラインナップに加わるだろうというのだ。
ザウバーは、ミナルディと同様、比較的無名のドライバーをF1に起用することで知られている。近年ではたとえば、マッサやキミ・ライコネンなどがそうだ。ザウバーは、そのポリシーに従うことによって、評価の確立したドライバーを雇うのと同じくらい得るものがあると主張している。
「このアプローチは、私の性格を反映しているわけではないが、F1チームというものは一所にとどまってはいない――常に動いており、生きており、変化していて、心理的な側面があるのだ」と、ザウバーはデイリー・テレグラフ紙に対して語った。「我々のようなチームにとって、大望を抱いている若く粗削りなドライバーを走らせるのはいいことだ。力は分かっているが、欠点も分かっている、既知のドライバーよりもね」
「ゲイリーは、印象的な経歴を持っており、DTMでもいい仕事をしている。彼は“ファイター”だと思う――それは重要なことだよ」
現在はフェラーリのエンジンを搭載しているが、ザウバーは、スポーツカーを走らせていた時代から、メルセデスと強い関係を持っている。