フェラーリののテクニカルディレクター、ロス・ブラウンが、BARホンダのジェンソン・バトンを将来の同チームのドライバー候補だと認めた。
バトンは、日曜のサンマリノGPでまたもや、ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハーに対する最強のチャレンジャーであることを証明した。バトンはすでに、土曜午後の予選でシューマッハーを下しており、決勝の序盤には猛烈なペースで飛ばし、1度目のピットストップまで首位を走った。今回の2位表彰台は、バトンにとってのベストリザルトであり、マレーシアとバーレーンでの連続3位に続くものだった。
BAR代表のデイビッド・リチャーズが、2003年に向けてバトンと契約した際には、その賢明さを疑う者もあり、バーニー・エクレストンも疑問を投げかけたひとりだった。しかし今年になって、パドックの多くの者がバトンを見直すことになった。2005年にファン−パブロ・モントーヤに代わってウイリアムズ入りするという説もすでに取り沙汰されているが、バトンは今度は、最も魅力的なチームのドライバー選考リストに載ることになった。
「彼は今後数年間で、ホットなドライバーになっていくだろう」と、フェラーリのロス・ブラウンは、日曜のレース後にデイリーテレグラフ紙に対して語った。「いつかミハエルは引退するし、私たちはその段階で誰がベストかを見極めなくてはならない。ジェンソンは、その時のリストに載るだろう」
「そのリストにはすでに、キミ・ライコネンや、フェルナンド・アロンソ、そして可能性ではやや劣るもののフェリペ・マッサが含まれている。このグループに加わるのだから、ベネトンとルノーで揉まれた後、BARで落ち着いた環境を得たおかげで、いかにバトンが成熟したか、ということが分かるね」
「私は彼にとても感銘を受けた」と、ブラウンは続けた。「デビュー間もない頃からその兆候はあったし、相応しいエンジニアと環境、そして自分を信じてくれるチームがあれば、力を発揮できるのだということが分かるよ」
BAR代表のリチャーズは、これからもバトンを手元に留めるために、できる限りのことをする意向だ。リチャーズはすでに、バトンがこの先何年かチームに留まってくれるように、その契約に含まれているどんなオプションでも受け入れるつもりだ、と語っている。
「ジェンソンがいかに特別なドライバーかということが分かるし、私たちの判断が正しかったことも証明されている」と、リチャーズは開幕前からすでに、バトンの将来に関する推測について語っていた。「彼の能力は、私たちにはずっと分かっていたし、今では誰にでも分かるだろう」
「私たちがジェンソンと契約したのは、彼にワールドチャンピオンになる能力があると確信したからだし、私たちは彼にその機会を与えるために全力を尽くしている。彼はどこへも行かない。ここを去る理由はないからだ。彼は私たちと共に、自分の野望を実現できるのだ」