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F1第2戦でハミルトンを襲った悪夢の31周目。波乱になればなるほど現れる“ドライバー力”
2021年4月22日
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP、赤旗中断でピットレーンに止めたマシンの脇で、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が座り込んで頭を抱えていた。7度の世界王者のそんな姿を見るのは、本当にまれなことだった。
その直前、レース中盤の31周目に、首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を追っていたハミルトンは、周回遅れのジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を抜こうとして濡れた路面でコントロールを失い、トサコーナーのグラベルを直進。コース復帰しようとしてバリアに接触し、フロントウイングを壊す大失態を犯した。
ノーズ交換のための緊急ピットインで周回遅れに。そのままなら優勝争いはおろか、上位入賞も難しいところだった。ところが、直後にチームメイトのバルテリ・ボッタスとラッセルによる大クラッシュ事故が起き、赤旗中断で全車がピットに引き揚げたことで、ハミルトンは命拾いした。
「集中力を取り戻すためだった」と、ピットレーンで見せた行為をレース後に説明していたが、いずれにしても再開後のハミルトンはあせってミスを犯したときとは完全に別人となっていた。
9番手からのリスタートでまずひとつ順位を上げ、39周目にはランス・ストロール(アストンマーティン)、42周目にはダニエル・リカルド(マクラーレン)をいずれもターン2のブレーキングで仕留めて5番手に浮上した。
勢いは止まらず、50周目にはメインストレートでカルロス・サインツJr.(フェラーリ)をDRSで抜き去り、シャルル・ルクレール(フェラーリ)も55周目のターン2でパスしていった。
雨は完全に上がっていたが、路面は走行ライン以外のほとんどの場所で濡れており、そこから外れることは即スピンを意味する。唯一ターン2のブレーキングゾーンだけは、ほかよりもドライ部分が広いが、あくまで程度の問題だ。
それをハミルトンは先行車の動きと路面状況を冷静に見極めて、アウトから、あるいはインから一気に刺していく果敢なドライビングを続けた。
そして60周目のメインストレートでランド・ノリス(マクラーレン)のスリップストリームにつくと、今度もターン2のアウト側から豪快にパス。ついに2番手まで復帰し、最後は最速ラップで1ポイント獲得のおまけまでつけてチェッカーを受けた。
メルセデスマシンの速さが大前提としてあるのは言うまでもない。しかし王者らしからぬ大ポカからすぐに本来のメンタルを取り戻し、ただでさえ追い抜きの難しいイモラ・サーキットの、しかもハーフウエット路面で果敢な5人抜きをやってのけたのは、ハミルトンだからこそだった。
そんな“ドライバー力”は、3位表彰台のノリスにも感じられた。予選Q3では3番手タイムを出しながら、ターン9のはみ出しで7番グリッドに降格。スタートで9番手に後退しながら、ハミルトン同様にミスのない走りでフェラーリの2台やセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)らを次々に抜いていった。
新加入のリカルドは、マクラーレンの独特な挙動にまだ慣れていないように見える。しかしそれを差し引いても、あのリカルドに予選で実質的にコンマ3秒以上の大差をつけ、レースペースでも圧倒し続けたノリスはやはりすごい。膝パッドがパドルに触れてクラッチが滑る症状が起きていなければ、あるいはハミルトンを最後まで抑えていたかもしれない。
優勝したフェルスタッペンも何度か挙動を乱すシーンはあったが、致命的なミスに至ることなく首位を独走し続けた。マシンの性能差が成績に直結することが当たり前になってしまった今日のF1にあって、ひさびさにドライバー力を堪能できたレースだった。
(Kunio Shibata)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 194 |
2位 | シャルル・ルクレール | 138 |
3位 | ランド・ノリス | 131 |
4位 | カルロス・サインツ | 108 |
5位 | セルジオ・ペレス | 107 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 81 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 69 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 55 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 301 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 252 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 212 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 124 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 5 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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