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FIA、F1のV10/V12エンジン導入案を一蹴「最低3社は撤退する」。水素の可能性に言及
2017年3月13日
FIA会長のジャン・トッドは、この先F1のエンジンが音の大きなV10やV12に戻ることは、「社会的に受け入れられない」ために不可能だと考えている。
現在のV6ターボハイブリッド規則は廃止するべきだの声が上がるなか、F1の出資者らは今後数週間のうちに、2021年以降のエンジンコンセプトについて討議を始めることになっている。
以前より提案されているのは、現在と同等のパワーを持つ、よりシンプルなエンジンで、これに一部のファンが熱望する、かつてのサウンドを取り入れるというものである。しかしトッドはその案を一蹴し、F1は技術的に市販車と関連を持ち続けなければならないと明言。FIAの刊行するAuto誌の最新号でV10、V12エンジン導入の可能性について語っている。
「それは社会的に認められない。我々には国際社会からのチェックに耐えうる組織を運営する責任がある。そして国際社会は(そうしたエンジンを)受け入れないだろう」
「『10年前のエンジンに戻そう』と呼びかけたところで、多くのマニュファクチャラーがそれを支持しないことは明白だ。最低でも4社のうち3社はF1から離れるという確信がある」
「また、できるだけ多くの競争を保ち、投資を守るためには安定性が必要不可欠だということを、我々は理解している。1年ごとに新しいテクノロジーに投資することはできない。財政的に持続不可能だし、我々はすでにレースやF1にかかるコストに不満を持っている。私に言わせれば、ばかばかしいほどのコストだ」
トッドは、F1は環境問題に対しても意識を高める必要があり、環境に配慮する努力をするべきだとの考えを述べた。
「気候変動や公害が注目されているなかで、我々も関与していくべきだという責任を感じている。1回のF1レースが生み出す汚染は、パリからニューヨークへの1回のフライトより少ないことは事実だが、我々は手本になるべきだ。手本になるために、不必要な汚染を生み出すことを自分たちで許容してはならない。それは誤った印象を与えることになる」
■将来的には水素エンジンの可能性も
モーターレースの行く末について話すなかで、トッドは水素エンジンの可能性にも触れている。
「水素こそが将来使われる技術だと確信している。ラリーでは5年以内に、ドライバーのいないゼロカーが走るかもしれない。モータースポーツは変化しているし、今後も変化し続ける。しかし我々は、最高の構成要素を保持していかなくてはならない」
「繰り返すが、これは我々が責任を負うべきもののひとつだ。来年に何をやるかではなく、F1が2021年や2030年にどうあるべきなのか、ラリーや耐久レースはどうあるべきかということを決断する」
「モータースポーツの心は変わらないが、社会の進化を考慮しなければならない」
(AUTOSPORTweb)
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています
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