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F1 Topic:小さなトラブルも疎かにしないメルセデスの仕事術
2016年9月29日
昨年、シンガポールGPで苦しんだメルセデスAMG。予選ではルイス・ハミルトンの5位が最高で、そのハミルトンはレースでリタイア。ニコ・ロズベルグは4位にとどまった。
今年のシンガポールGPでは、1年の時を経て、再びメルセデスAMGが同じ轍を踏むのかどうかに注目が集まったが、結果はロズベルグのポール・トゥ・ウィン。しっかりとリベンジを果たした。
その理由はいくつか考えられるが、そのうちのひとつがメルセデスのパワーユニットの改善である。昨年のシンガポールGPで苦杯をなめたのは、じつはメルセデスAMGだけではなかった。メルセデスのパワーユニットを使用するほかのチームもシンガポールGPでは苦戦を強いられた。その理由がメルセデスのパワーだった。あるメルセデス・ユーザーのエンジニアはこう語る。
「メルセデスのエンジンはパワーがあるので、コントロールするのが大変」
つまり、現在F1界でもっとも高いパワーが、昨年はリヤタイヤをオーバーヒートさせていたわけである。それが今年は大きな障害にはならなかった。それは、ドライバビリティが向上したからだった。
「ほかのパワーユニットもメルセデスを目指して進化しているけど、メルセデスだって進化を続けている。本当にすごいエンジンだよ」と某メルセデス・ユーザーチームのエンジニアは語る。
市街地コースで行われるシンガポールGPは、シリーズ全体を考えると特殊なサーキットである。したがって、このレースを落としたとしても、選手権に大きな影響は出ない。しかし、F1のエンジニアリングで大切なことは、勝たったか負けたかという結果ではなく、なぜ勝ったのかなぜ負けたのかを検証することである。ドライバビリティを改善する余地があると判断したメルセデスAMGは、パワーユニットを供給するメルセデスHPPに改善を要求。満を持してシンガポールGPに臨んできた。
メルセデスAMGのこうした緻密なエンジニアリングは、トラブルへの対処にも見られる。シンガポールGPでは金曜日のフリー走行2回目に、ハミルトンのマシンにハイドロ系のトラブルが発生した。ハイドロ系のトラブルというのは、現在のF1では珍しくはない。その後、問題が再発しなかったことからも、それほど深刻ではなかったものと考えられる。
ところが、メルセデスAMGは問題が発生すると、ピットウォールに座っている上級エンジニアが立ち会って、トラブルに対処していたのである。最後には技術系のトップであるパディ・ロウまで視察に来たほどだった。
トラブルが起きた翌日、ホテルを出て、サーキットへ向かうロウと道すがら出会った。そこで前日のトラブルの件を尋ねてみた。するとロウはこう答えた。
「どんなトラブルにもなんらかの原因があり、それは人間が引き起こしている。だから、どんなに小さなトラブルでも、おそろかにしてはならないんだ」
今シーズン、メルセデスAMGがレースをリタイアのはスペインGPの1度だけ。速さだけでなく、今年のメルセデスAMGは安定している。すでにコンストラクターズ選手権では2位のレッドブルに222点のリードを築いているメルセデスAMG。マレーシアGPは3年連続コンストラクターズチャンピオンに王手をかけた一戦となる。
(Text : Masahiro Owari)
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9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |