スパイカーF1の新チーフテクニカルオフィサー、マイク・ガスコインは新車発表会の席で、チームが8月のトルコGPにF8-VIIの改良型マシンをデビューさせるのを目標にしていると明かした。
ガスコインは、トヨタを離脱して数カ月が経った11月1日、スパイカーに加入した。だが、加入した時期が遅かったため、今季クリスチャン・アルバースとエイドリアン・スーティルが走らせるマシンのデザインや開発に、大きな影響を与えることはできなかった。
しかし、マシン自体には影響を与えられなくとも、ガスコインはチームの作業効率を向上させたり、エアロラボ社との契約に合意したりと、水面下でチームに貢献している。エアロラボとの提携は、新車の空力を向上させる段になればチームの利益となるはずだ。
「11月1日に加入し、新車の開発に力を貸すことができなかったので、アドバイスに徹していた」とガスコイン。
「どんなデザイン会議にも出席したが、その時にはマシン理念が大筋で確立していた。空力面は今でも進化している。だがメカニカル面では、マシン設計に手を加えることはできない」
「(チームに加わって)最初に取り組んだことのひとつは、テクニカルチームの全体的な構造を見直し、作業をより効率よく進める方法を探ることだった。ジェームズ(キー)たちは目を見張るような仕事をこなし、限られたリソースの中で着実な進展を成し遂げていたが、私は一歩踏み込んで、大幅に前進できる方法を見つけ出さなくてはならなかった。新しい空力レギュレーションを考えると、最大の利益を得られる主要分野のひとつは明らかにエアロ部門だった。そのため、我々のリソースを効率的に倍加してくれる、エアロラボ社およびそのチームと契約を結んだ」
「ブラックリーにある風洞も改良され、これからは事実上、2つの風洞をフル稼働できることになる。これで我々のリソースもビッグチームと同じ水準になるはずだ。我々は1月1日に(エアロラボとの)契約にサインし、すでに非常に有益な作業を行っている。エアロラボは真のターンキーオペレーションであり、この世にひとつしか存在しない、すぐにでもフル稼働させられる最先端の施設だ。マシンの空力に手を加えることで、パフォーマンスを大幅に向上させられる。その効果はシーズン後半に表れるだろう」
チームは、シーズン中にも開発を進めていく予定のBスペックを、シーズン後半に投入したいと考えている。開幕をスタートするマシンも、改良を加えるのを前提にしっかりとした基盤で作られているようだ。
「我々はシーズン後半に大幅な改良を加えたいと思っている。マシンは全面改良されたBスペックとなるだろう」とガスコイン。
「このマシンにおいては、ギヤボックスのレイアウトを変え、空力とリヤエンドに変更を施す。ギヤボックスを4戦で使用するという2008年のレギュレーションに合わせるつもりだ。皆はリヤサスペンションがかなりアップグレードされたことにも気づくだろうね。いろんな部分が変更になるはずだ。シーズン前半のプログラムは、空力やデザインの進展を遂げられるように組まれている」
「(Bスペック投入は)トルコGPが目標だ。マシンを飛躍的に進化させたいが、風洞での進み具合や開幕時の我々のポジションによって決まるだろう。まずはライバルがどのチームになるのか、とりわけスーパーアグリやトロロッソはどうか、確かめなければならない。Bスペックを投入する時には、それが著しい進歩となるようにするつもりだ」
「Bスペックは本格的なスパイカーであり、私からのアドバイスがふんだんに盛り込まれているはずだ」