2カ月前にインテルラゴスで勝利を飾ったフェリペ・マッサは、同じくブラジルで行われたスター勢揃いのカート大会でまたも勝利し、集まったファンを熱狂させた。
ブラジルの南に位置するフロリアノポリスで行われた“インターナショナル・チャレンジ・オブ・ザ・ゴーカート・チャンプス”に、豪華な顔ぶれが一同に会した。ホンダのエースであり、フェラーリの前ドライバーでもあるルーベンス・バリチェロ、ルノーのテストドライバーであるネルソン・ピケJr、トロロッソのビタントニオ・リウッツィ、スパイカーのティアゴ・モンテイロ、レッドブルのサードドライバーであるロバート・ドーンボス、元F1ドライバーのジャン・アレジやルチアーノ・ブルティ、リカルド・ゾンタ、アントニオ・ピッツォニア、タルソ・マルケス、エンリケ・ベルノルディ、そしてIRLチャンピオンのトップドライバーであるトニー・カナーンなどだ。
F1最終戦で優勝へと導いてくれた、あの緑と黄色のレーシングスーツを着たマッサは、週末行われたふたつのレースのうち、まずひとつ目のレース予選でポールポジションを奪取。2番手にはピッツォニアが約コンマ2秒の差で続き、ブラジル人ふたりがフロントロウを占めた。ピケJrと前マカオGPのウイナー、ルーカス・ディ・グラッシが2列目に、3列目にはブルティとベルノルディが続いた。トロロッソのテストから直行し、フリー走行に参加できなかったリウッツィは健闘し9番手に、バリチェロは古くからの友人でもあるカナーンのホイールに接触し、最後尾の22番グリッドからのスタートとなった。
「完璧なラップだった」とポールを獲得したマッサ。
「マシンは予選前のセッションですごく感触が良かったけれど、タイムはどれも似たようなもんだね。またポールを穫れて嬉しいけど、まだまだこれからが大変だ。すごくレベルが高いレースだし、このチャレンジはタフなものになるだろうね」
そうは言いながらも、第1レースではスタートからゴールまで他を寄せ付けない速さを見せつけてマッサが勝利。2位、3位には、同じくブラジル人のピケJrとARTグランプリ・チームと契約したGP2ドライバーのディ・グラッシが続いた。第2レースでは、GP2同様のリバースグリッドが採用され、マッサは後方からのスタートとなった。一時は16番手にまで落ちたものの、総合チャンピオンを獲得するために必要な順位まで挽回すると、ファンからの喝采を浴びた。
「ずっとネルソンを見ていたんだ」とマッサ。
「僕のマシンは週末を通して調子が良かったから、前を行くマシンを抜くことができた。2006年をいい形で終えることができたことが重要だね。F1でも来年はもっと勝ちたいし、できればワールドチャンピオンを争そうことができればと期待しているよ」
総合順位は、2位ピケJr、3位ディ・グラッシ。4位以下にはピッツォニア、ベルノルディ、カナーン、IRLのビットール・メイラ、そしてリウッツィが続いた。