ウイリアムズF1チームは、来シーズンには本来の調子を取り戻すべく、今年最後の合同テストで、引き続きトヨタエンジンを搭載したマシンを走らせた。同チームはそのヘレステストで励みとなるような結果を得て、期待外れに終わった2006年シーズンを締め括っている。また、チームは、初めてF1マシンを走らせた中嶋一貴のパフォーマンスを高く評価した。
実際のところ2006年は、同チームにとって失望するようなシーズンとなった。しばしば目を見張るようなスピードを見せながらも、信頼性不足のためコンストラクターズ8位に終わり、マーク・ウエーバーは2007年に向けレッドブルと契約、チームを去っていった。
それでもなお、ウイリアムズ・チームは年末に向けてプッシュし続けた。ニコ・ロズベルグ、アレクサンダー・ブルツのレースドライバー2名の他、ナレイン・カーティケヤン、中嶋一貴のテストドライバー2名をヘレステストに参加させ、トヨタが開発したエンジンとギヤボックスを搭載した、進化型FW28を走らせた。
テクニカルディレクターのサム・マイケルは、今シーズンについては忘れてしまいたいと思っているはずだが、冬季期間には耐久性を上げたいと考えており、チームが前進できたことに勇気づけられたようだ。
「我々は9月からFW28Bでテストをスタートした。このマシンは、トヨタエンジンと我々の2007年用シームレスギヤボックスを搭載した、FW28Aの改良型だった。そのFW28Bでは、2007年に信頼性を大幅に向上させるというプランの一部としてレースシミュレーションを行い、3戦分のレース距離に相当する6、500km以上を走破している」
「信頼性に加え、我々はブリヂストンが提供を始めたタイヤがどのように変化したかを理解できるよう懸命に努力しているが、そこには予想外の驚きはなかった。というのも、タイヤにはかなりの一貫性があり、より扱いやすくなったからだ。これが安定したベースラインを元にして、異なるセットアップ変更を評価する際の手助けとなる」
またマイケルは、ドライバーラインナップに満足感を示し、特に中嶋を称賛した。ウイリアムズF1マシンでの初走行に臨んだ中嶋は、安定した走りでコンペティティブなタイムを記録、周囲に好印象を残している。
「テスト期間、我々は4人のドライバー全員に走ってもらった。ニコ、アレックス、ナレインだけでなく、カズキもだ。カズキは初のF1テストで並外れたパフォーマンスを披露し、自身が準備万端だったことを示したと思う」
「ヘレステストで彼は、2日間で840km以上を走行し、安定したラップタイムを記録、かつ肉体的にも問題はなかったようだ。私は、初めてF1マシンを走らせたドライバーがそのようなパフォーマンスを発揮したのを見て非常に感銘を受け、彼には素晴らしい未来が待ち受けていると確信した」