1996年のF1ワールドチャンピオン、デイモン・ヒルが、近頃の憶測通り、GP2シリーズのマシンをドライブすることになった。
F1引退から5年以上が経ったヒルは6月28日、ポール・リカールでダラーラ・ルノーの開発マシンをドライブする。GP2シリーズのマシンを自ら体験し、彼が面倒を見る若手ドライバーの1人に来シーズンのGP2参戦を勧めたいと考えているとのことだ。
「今回のテストに参加する理由は簡単だ」とヒル。「将来F1でドライブしたいと考えている若手ドライバーのスティーブン・ケインのために一肌脱ぎたいと思ったためだ。GP2シリーズは、F1でドライブしたいと考える若手ドライバーにとって、最高の準備段階だろう。しかし、いざ自分がGP2シリーズのマシンドライブのオファーを受けてみると、やっぱり体がうずくね。ドライブを楽しみにしている」
今回、GP2のマシンをドライブする元F1ドライバーはヒルだけでなく、ジャック・ラフィー、パトリック・タンベイ、そして現在GP2でチームオーナーを務めるアドリアン・カンポスらもテストに参加してマシンをドライブする。
シリーズオーガナイザーのブルーノ・マイケルは次のように語っている。「デイモンがシリーズのマシンをドライブすることになり、GP2のだれもが喜んでいる。シリーズの設立当初から、GP2をF1に最も近いシリーズという位置づけにしたいと考えてきた。今回、デイモンのようなF1世界チャンピオンがマシンドライブのオファーを承諾してくれ、大きな後押しになると思う。当日は、デイモン自身がエンジョイし、GP2シリーズの魅力にたくさん気づいてくれることを期待している。彼から感想を聞くのが楽しみだ」
F1がヨーロッパを離れモントリオールとインディアナポリスでイベントを開催していた関係から、GP2シリーズはここ1ヶ月間休みに入っていたが、来週末のマニ―クール戦から再開する。現在ポイントスタンディングのトップに立っているのは、ルノーF1のテストドライバー、ヘイキ・コバライネン。2番手と3番手には、それぞれレッドブルとBARでF1マシンのドライブ経験があるスコット・スピードとアダム・キャロルが続いている。