ルノーＦ１チームは、モナコＧＰの勝者、ヤルノ・トゥルーリが今季３レースを残してチームを離脱することを正式に発表したが、これに関しトゥルーリは「予想より早く、新しいチームでのスタートを切るチャンスを与えられた」と前向きなコメントを発している。
　１５日朝、両者が合同で発表した声明文には、トゥルーリのチーム参加義務が直ちに消滅すると書かれている。
　トゥルーリが、ドイツＧＰでシーズン終了後にチームから離脱することを表明して以来、チームから不当な扱いを受けていると語ったことから、この２週間、彼とチームの関係はうまくいっておらず、結果的にトゥルーリ離脱という結果になった。また、トゥルーリが５戦連続でポイント獲得に失敗しており、チーム代表のフラビオ・ブリアトーレは、トゥルーリを「被害妄想」と決めつけ、トゥルーリの心理状態を疑問視していた。
　コンストラクターズ・チャンピオンシップでＢＡＲホンダ・チームに追い越されたことを強く意識しているブリアトーレは、今回の決定をお互いにとってベストの選択だと考えた。
「チームとトゥルーリは、彼の早期離脱を前向きにとらえている」とブリアトーレは語った。「また、我々は３年以上に渡ってチームに貢献してきたトゥルーリにお礼を述べたい」
　貢献のなかに５月に行われたモナコでの初優勝が含まれるが、トゥルーリはイギリスＧＰでクラッシュし、それ以降は目立った活躍ができずにいた。なおかつ、ここ数カ月に渡りチームから用意されたどのＲ２４でも、ベストバランスを見つけ出せなかった。
　トゥルーリは、「今回の決定に満足している」と語った。「２００２年から僕をサポートし、また、ともに成功を築き上げたルノーに感謝している。チームが僕を契約から解放してくれたことはうれしい。考えていたよりも早く、新しいチームでのスタートを切るチャンスを与えられたのだから」

　２００５年からはトヨタでラルフ・シューマッハーのチームメイトになると予想されるトゥルーリだが、トヨタサイドもトゥルーリサイドも、正式な発表をまだ行っておらず、実際にこのラインナップになるのかどうかを疑っている者もいる。
　ルノーは、中国ＧＰでの正式なドライバーラインナップは後日発表すると語っている。しかし、ジャック・ビルヌーブが１５日、１６日とシルバーストンテストにルノーから参加するとあって、来季ザウバーでのドライブが決定している彼が、今季残り３戦のシートをオファーされるのではないかと考えられる。
　トゥルーリの代役は、ルノーのテストドライバー、フランク・モンタニーが務めると考えるのも理にかなっている。モンタニーは、レース前の金曜日午前に行われるフリー走行には参加できないが、普段のテストでは安定した働きぶりを見せている。一方、ジャンカルロ・フィジケラはすでにルノーと来年度の契約を結んでいるが、現在はザウバーのドライバーである。しかし、来季に有利なスタートを切るべく、フィジケラがビルヌーブと交代する可能性も残されているだろう。

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