2005年のBMWウイリアムズは、ファン−パブロ・モントーヤがマクラーレンに移籍し、ラルフ・シューマッハーは、パドックの噂が本当なら、トヨタに移ることになるだろう。そしてその後釜となるのはジョーダンのニック・ハイドフェルドかともささやかれているが、当人は発言を控えている。
カナダGPにて真偽のほどを聞かれて、ハイドフェルドは、「2〜3のチーム」と交渉中だと答えるにとどまったが、おそらくその中にウイリアムズも含まれているものと見られる。
「来年のことはあまり話したくない」と彼。
「今のところ2〜3のチームと話しているところで、もちろんトップチームへの移籍が将来の夢であることに変わりはないが、今の僕にはここまでしか言えない」
関係者によると、ハイドフェルドのウイリアムズ入りの可能性はないわけではないようだ。BMWがドイツ人ドライバーを残したいため、ラルフがもし抜ければ、ということらしい。
ところで現在の彼のマシン、EJ14は自身のポテンシャルを発揮するに足る車なのだろうか?
「前の方で戦えなければ(ウイリアムズなどのトップチームに対して)自身をアピールし実力を披露することはまず難しいが、今シーズンは周囲からの反応を見る限りとても前向きな状況だとは言える」
「ザウバーにいた1〜2年前の頃よりはいい。ザウバーで初めてのシーズンはキミ(ライコネン)が一緒で、車がとても良くて二人ともいつもポイントを取れていた。僕も表彰台に一度上がったし、二人ともかなりいい成績だった。その翌年はしかし、誰もが同様の活躍を期待したけれど、単純に車がよくなくて注目されずに終わった」
「そして今年ジョーダンにきて、どうやら皆、僕がいい仕事をしていることに気付いてくれたのだと思う。今のところいい状況だと思うよ」
ここまでのシーズンについては、ジョーダン・チームが低迷する中、彼自身は大いに満足しているという。
「うん、序盤戦の頃は、信頼性のある車で始めて徐々に速度を改善していけたらと思っていたんだ。でも残念ながら、最初の数戦はほとんど完走できずに終わってしまった」
「だがここまで前進してこられたことにはとても満足している。車は明らかに信頼性が上がっているし、スピードもずいぶん改善できた。予算やチームの規模を考えれば十分いい仕事を皆していると思う」
「聞いたところでは去年は車の開発に問題があったらしいが、今年は、ほぼ毎レースごとに何かしら新しいものを試しているし、テストがあまりできずに、レースでぶっつけみたいな状態だが、今のところこれが全てうまく回っている」
残るシーズンについては、モンテカルロで7位に入って以来、ポイント獲得体勢にまた復活できると期待をかけているという。また、ヨーロッパGPがそのターニングポイントになると見ているようだ。
「ほんとに中堅チームになれるといいんだが。シーズン序盤は僕らの後ろを走るのはミナルディだけ、ポイント獲得などとても無理というところにいた。だがモナコでそれが叶って、チームみんなのやる気につながった」
「そしてこの前の(10位で完走した)ニュルブルクリンクでは、さらに一歩前進が見られたと思う。とてもいい面白い戦いができた」
「トヨタとジャガーを背後に置いて、僕は終盤の周回でかなりハードにフェリペ(マッサ)をプッシュできたからね。決して悪いレースではなかったと思うんだ」