ブリヂストンは今週、FIA F1世界選手権第8戦に向けてカナダのモントリオールに到着し、意欲満々で活動を開始しようとしている。
シーズンも半分まで来て、8週間のうちに6戦という過密スケジュールの中の3戦目を迎え、ブリヂストンのエンジニアたちと各チームは、引き続きプレッシャーをかけて、さらに多くのポイントと表彰台を獲得しようと意気込んでいる。これまで毎年そうだったが、今年もブリヂストンとパートナーチームは、モントリオールで温かい歓迎を受けることになりそうだ。
ブリヂストン/ファイアストン・カナダは、今回もGPのストリート・フェスティバルのスポンサーを務める。これはモントリオール旧市街のジャック・カルティエ広場で行われるもので、大勢のモータースポーツファンがつめかけ、ブリヂストンを履くショーカーを見たり、F1シミュレーターで自分のドライビングスキルを試したりする。
安川ひろしモータースポーツ・ディレクターは、次のように語った。「カナダGPは常に、カレンダーの中でもF1チームに人気のある一戦で、私たちは毎年カナダを訪れるのを楽しみにしている。ブリヂストンはカナダでは、ここ何年か、かなりの成功を収めており、過去2年連続でカナダGPのウイナーにタイヤを供給している」
「2週間前のドイツでは、パートナーの4チーム中2チームがポイントを獲得した。我が社の技術部門は、今回もまた各チームに成功をもたらすタイヤを供給するために、努力を続けてきている」
全長4.361kmのジル・ビルヌーブ・サーキットでは、そのスムーズな路面のために、ブリヂストンのコンパウンドのうち、中位からソフトにかけてのレンジのタイヤが必要となる。モントリオールはカレンダー中、最も高速な部類のサーキットだ。ローダウンフォースで、ハードブレーキングが必要となるこのコースで、ブリヂストンの1,400本のポテンザF1タイヤは、高速のグリップをもたらすと期待されている。
菅沼寿夫テクニカル・マネージャーは、次のように続けた。「モントリオールもまた、1年に1度しか走行のチャンスがないサーキットなので、ヨーロッパでテストをしているときに、その準備について慎重に考える必要があった。フェラーリとザウバーは最近、イタリアのモンツァ・サーキットで、彼らのタイヤ選択を最終決定した。ジョーダンはモナコ前に、フランスのポール・リカールのコースで、カナダGPの準備の一部を行った」
「タイヤの選択にあたっては、各チームは熱耐性とブレーキング時の安定性を考慮する必要があった。トップスピードの高い、厳しいサーキットだからだ。ブリヂストンは、このコースのスムーズな路面のために、中位からソフトなレンジのコンパウンドで、4種類のスペックのドライタイヤを供給することにしている」
「また、モントリオールは、天候コンディションにかなり左右されうるということも、考慮に入れなくてはならない。晴れれば、路面温度は40度台まで上がることもあるが、去年のように曇れば、温度は低くなる。これもまた、ブリヂストンにとってはひとつの挑戦だが、対処は可能だし、私たちは、カナダでの成功をぜひ今年も継続させるつもりだ」