ミシュランのピエール・デュパスキエは、次のマレーシアGPで、パートナーである6チームに“勝てるタイヤ”を提供できるだろうと予測している。
「シーズンはまだ始まったばかりだが、マレーシアは明らかに大変重要なレースだ。今年の勢力図がはっきりしてくるはずだからね」と、デュパスキエは語った。
「私たちは、2003年のマレーシアのイベントでは優勢だった。ルノーのフェルナンド・アロンソが予選でポールを獲得し、レースではマクラーレンのキミ・ライコネンが楽勝したんだ」
「私たちの一番のライバルチームは、2週間前のオーストラリアで非常に強力なパフォーマンスを見せた。だが、それはただ私たちにやる気を起こさせ、いっそう優れたパフォーマンスを発揮しようと努力させるだけだ。私たちはチャレンジによって成長する。これは、ミシュランの社風のひとつなのだ」
ミシュランは、セパンサーキットで素晴らしい記録を誇っている。F1復帰の年だった2001年には初の表彰台を獲得し、過去2年間は不敗を保っている。2002年には、ラルフ・シューマッハーがミシュランで優勝し、昨年は、キミ・ライコネンがF1での自己初勝利を挙げたのだ。
ミシュランのF1プログラム・マネージャーである、パスカル・バセロンは、次のように付け加えた。「セパンに適したタイヤを用意するにあたっては、ひとつかふたつ、明らかな困難が存在する。セパンはたいてい年間を通して最も暑いレースとなり、路面温度が55度にも達するのだ。それ自体は問題ではないが、実際にマレーシアでテストをせずに、そういうコンディション用のタイヤを冬のヨーロッパで走行しながら開発しなくてはならない。路面温度が普通、10度から20度といった状況でね」
「これは難しいよ。コンディションが非常に異なっているんだから。だが、過去の経験とセパンでの記録を利用することで、少しはやりやすくなる。マレーシアのようなコンディションに備えるために、ヨーロッパの様々なサーキットで得られるデータを分析して相関関係を見出すのが、だんだんうまくなってきているんだ」
「セパンは、伝統的にひどく暑くなるという以外は、それほど目立った特徴はない。燃料積載量のタイムに及ぼす影響は、10kg重くなるごとに1周につき約0.4秒で、タイヤの摩耗は平均的だ。2週間前のメルボルンよりも若干キツいが、それは天候のせいというより、ザラザラした路面のせいだ」
「セパンは、低速・高速・中速のコーナーを取り混ぜた、変化に富んだサーキットだが、どのコーナーも特に難しくはない。私たちのタイヤのうち、中くらいの領域のコンパウンドを、いくつか選んで持っていくつもりだ」