FIAは、今年から新たに土曜日に2回行うことになったF1の予選について、先週末のオーストラリアで不評の声が上がったものの、しばらくは同じ方法で予選を行っていくことを明らかにした。
昨年の予選は、金曜日に1回目のセッションを行い、翌土曜日に金曜日のタイムの遅い順からスタートして予選グリッドを決めていた。今年からこのシステムが変更され、土曜日に90分間の間に2回の予選走行を行うことになったのだが、1回目のセッションで“形だけの予選”を行った後、2回目のセッションに臨む方がベターだという声が上がり始めている。また、1回目のセッションのスタート順位は、ポイントスタンディングの順位ではなく前戦の決勝順位に基づいて決定されるため、オーストラリア戦のゾイト・バウムガルトナーのように、1回目のセッションで最後にスタートし、2回目のセッションで最初にスタートする者が出てくることにもなり、弱小チームにとっては準備時間が皆無に等しく、更に不利な状況に負い込まれるという問題も露呈している。
FIAのスポークスマンはBBCに対し、新しい予選システムは最初のヨーロッパラウンドが始まるまでは最低限続け、場合によっては今シーズン終了まで続けられると語った。
「当初は、2003年の予選システム変更を多くの人がいいとは思わなかったが、結局2003年はベストシーズンのひとつとなった。今回の新しい予選システムは、各チームの代表たちがそれぞれ自分のチームで話し合った後、FIAに対して『これがチームの見解だ』と言ったものを採用した」
「従って、あと2、3レースは様子を見るべきだろう。新システムをしばらく見た結果、F1関係者やファンの中の株主たちから問題ありという声が上がれば、考えていくつもりだ」
新しい予選システムについては、ミハエル・シューマッハーやバーニー・エクレストンも先週末、不平の声を上げたが、パドックでは同様の意見が支配的であるということが徐々に明らかになりつつある。
ルノーF1チーム代表フラビオ・ブリアトーレは「馬鹿馬鹿しいシステムだ。テレビのことを考え過ぎている。まったく意味がない。我々にとっても観客にとっても馬鹿馬鹿しい予選システムだ」と語っている。
3度の世界チャンピオンに輝いたニキ・ラウダは英ガーディアン紙に対し、こう語った。「これまで私が見た中で最悪のものだ。F1ビジネスを動かしている学のある連中が、このような愚かなものにゴーサインを出したとは信じられない」
新しい予選システムについては、FIAはマレーシアGPとバーレーンGPが終わった後に再検討を始めることになりそうだ。