今週末、ジャガー・レーシングはメルボルンにて行われる2004年F1シリーズの開幕戦、オーストラリアGPに臨む。
マーク・ウエーバーにとってこのグランプリはホームレースであり、そのためトラックの内でも外でも、最も多忙なイベントになることは間違いない。一方、僚友でルーキーのクリスチャン・クリエンとテストドライバーのビヨルン・ウィルドハイムはそれぞれに、週末を通して新たな任務の遂行に全精力を注ぎ込むことになる。
ウエーバーの2003年は怒濤のシーズンとなり、6位と7位の連続入賞でジャガーの総獲得ポイント、18ポイントのうちの17点を稼ぐ働きぶりだった。予選での活躍もまた上々だっただけに、今年は母国のファンの前でぜひともこの好調の波を引き続き披露したいところだ。
「メルボルンでは信頼性が重要になる」と振り返るウエーバー。「1エンジン規則のおかげできついレースになり、信頼性が鍵になる。ミルトンケインズのチームと姉妹会社のコスワース・レーシングおよびPiリサーチで、改善を確かなものにするためハードな作業を行ってきた。久しぶりのレースで思いきり走れるのを楽しみにしているよ」
「メルボルンは僕にとってもちろん特別なレースで、その盛り上がりといったら最高なんだが、しかし、おかげで僕のトラック外でのスケジュールも少々過熱気味だ。ファンもすばらしく、これから1〜2週間ずっといろいろなイベントに出席するから、みんなに会える。レースの1週間前にシドニーを訪れ、スポンサーや報道陣向けのイベントに出て、アルバートパークに入るのはそれからだ。きっとすばらしい週末になるよ!」
一方、昨年のF3ユーロシリーズで活躍したクリエンにとっては、初めてのオーストラリアGPとなる。大手飲料メーカー、レッドブルのスポンサードを受ける彼は、ジャスティン・ウイルソンに代わりチームに加入、ぜひともここで好発進を決めたところだ。
「このレースには信じられないくらい興奮している。この複雑な心境をどう表現したらいいのか。チームとは楽しく過ごせていて、人間関係でも技術面でも、彼らとともに前進してこられたことがうれしい」とクリエン。「みんな新ルールについて話しているが、僕にとっては全てが新しいことだから大した違いはない。テスト期間はとても貴重で、特に僕にとってはタイヤの性能と限界を理解するのに役立った」
「それにシミュレーションという点でも重要だった。長距離走行、予選走行、レーススタート、全マニュアルギヤの変速などを今季に向けてシミュレーションしてきた。いろいろな面で学習を積んできているし、知らないトラックばかりでもこの調子で行けそうだ」
「F1カレンダーの全18のサーキットのうち、僕がレースで走ったことがあるのは7つだけ。レースウイークの金曜午前のプラクティスは、慣れるという意味で特に重要になる。パソコンゲームも少しは役に立つが、本物には替わるべくもないね。これからその“本物”が始まるわけだが、何年もこの目標のために頑張ってきたのだから、もうレーススタートが待ちきれない気持ちだよ」