ハンガリーGP決勝レースで、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは10位完走。イギリスGP以来3戦連続ポイント獲得は、惜しくもならなかった。ジャック・ビルヌーブは14周目にリタイアに終わった。
決勝日も快晴に恵まれた、ハンガロリンクサーキット。午後2時の気温は28℃と前日より4℃も低いが、路面温度はすでに47℃まで上がっている。マシンにもドライバーにも、過酷なレースになることが予想された。レッドシグナルが消えて、全車一斉にスタート。そして16番グリッドのビルヌーブが素晴らしい出足を見せた。1コーナーのブレーキングから2コーナーに至る渋滞の中で次々と前車をパスし、1周目を終えた時点で10番手にジャンプアップ。しかし、バトンは逆に14番グリッドから17番手に後退してしまった。
12周目以降、J・ウィルソン(ジャガー)を皮切りに、各マシンが次々に1回目のピットイン。ビルヌーブも次の周にピットインするが、ピットロード上でスローダウン。最後はメカニックに押されてピットにたどり着くが、油圧系のトラブルでそのままリタイアを喫した。一方のバトンは、多くのチームが3回ストップ作戦を選択すると思われた中、2回ストップ作戦を選択。ピットインが少ない分、重い燃料を積みながらも、前を行くHH・フレンツェン(ザウバー)らを次々にパスして行き、9番手までポジションアップ。18周目に最初のピット作業を行い、13番手でコースに復帰する。その後R・バリチェロ(フェラーリ)のリタイアで、一つポジションを上げた。
折り返し点間近の30周目以降、2度目のピットインが始まる。バトンはぎりぎりまでピットインを遅らせ、44周目にピットに入る。この時点で10番手までポジションを上げていたが、一つポジションを落としただけの11番手でコースに復帰した。2回ストップ作戦のバトンは、残り26周をピットイン無しで走り切り、ポイント獲得に向けての追い上げ体制に入っていたものの、レース前半からデフ及びエンジンのレスポンスに問題を抱えていたこともあり、マシンコントロールに苦戦を強いられていた。
その後48周目に、前を行くフレンツェンがリタイア。これで10番手に上がって、さらにザウバーのもう1台、N・ハイドフェルドを追う。しかし、ポイント獲得圏内まであと一歩に迫ったところでチェッカー。イギリスGP以来連続して完走を果たしたものの、3戦連続のポイント獲得は、惜しくもならなかった。優勝はF・アロンソ(ルノー)。F1史上最年少、22歳のGP勝者が誕生した。
中本修平
エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「10位のジェンソンは、今日の状況から考えると良く頑張りました。時折エンジンのレスポンスに問題が発生していたにも関わらず、レース中何回か速いラップタイムも記録していましたしね。ジャックは素晴らしいスタートを決め、その後も良いペースで走っていましたから、早い段階でのリタイアは残念でした。次のテストに集中し、次戦イタリアでのレースに挑みます」