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【F1イタリアGP無線レビュー】イタリアに新たなスターが誕生。ルクレールがメルセデスを抑え切る完全勝利「みんな、ありがとう。マンマミーア!」
2019年9月12日
2019年F1第14戦イタリアGPでは、フェラーリのシャルル・ルクレールが前戦ベルギーGPに続いて勝利を手にし、2連勝を飾った。2度にわたってメルセデスの猛追を受けたものの、ルクレールはストレートスピードを武器に抑え切り、モンツァに集まったフェラーリファンを大いに喜ばせた。そんなイタリアGP決勝レースを、無線レビューとともに振り返る。
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フェラーリは地元モンツァでポールポジションを獲得したとはいえ、メルセデスAMG勢とは僅差でありQ3最後のアタックが不発になったからこその薄氷のポールではあった。
シャルル・ルクレールはスタートで首位を守りきったが、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は6周目のアスカリでスピンを喫し、コース復帰を焦るあまりランス・ストロール(レーシングポイント)と接触、さらには10秒ストップ&ゴーペナルティを科されて実質的にレースは終わってしまった。
ベッテル:ダメージを負ったと思う。左フロントだ。
フェラーリ:了解、BOX。
ストロール:なんてXXXだ! フェラーリがバカみたいな戻り方をしてきた! 全くもって信じられないよ!
フェラーリはソフトから早めにハードに繋ぐプランAと、なるべく引っ張ってミディアムに繋ぐプランBを用意していた。しかしメルセデスAMG勢が1秒後方にピタリと付けてプレッシャーを掛け続ける状況では、そう簡単にピットインするわけにはいかなかった。
フェラーリ:今のところプランBを考えている。
ルクレール:了解。
しかし18周目にはルイス・ハミルトン(メルセデス)の方がリヤタイヤのグリップ低下を訴え始めた。
ハミルトン:リヤがドロップし始めている。オーバーカットは出来ないよ。
これでメルセデスAMGは19周目にハミルトンをピットインさせ、アンダーカットを狙う作戦に出た。走り出しのペースを稼ぐために、履いたのはミディアムだった。
20周目にはルクレールも同様にタイヤのグリップ低下が進み、ピットに飛び込む。
ルクレール:リヤタイヤ! リヤタイヤが終わってる!
フェラーリ:タイヤコンパウンドはプランAのものを考えているが、戦略的にはプランBでいく。
フェラーリは6周目にピットインしハードタイヤを履いたベッテルのペース推移を見て、金曜よりも暑い決勝のコンディションではハードの方がマシンに合っていると見抜いていた。そこでルクレールにも戦略的にはプランBでも、プランA用だったハードタイヤを履かせたのだ。
ピットアウト直後、ギャップを縮めたハミルトンが一気にルクレールの背後に襲いかかる。フェラーリはパワフルなモードの使用をルクレールに許可した。
フェラーリ:必要ならK1+を使っても良いぞ。
それでもハミルトンはメインストレートで追い付き、ここは巧みにルクレールがブロックするが続く第2シケインへの飛び込みでアウト側に並びかけた。その瞬間、ルクレールは僅かに右に動き、ハミルトンはあわやというところでダートに片輪を落としながらランオフエリアに逃げて事なきを得た。
ハミルトン:彼は僕に1車身分のスペースを残さなかった! 僕を押し出したんだ!
メルセデス:了解、チェックしているところだよ。
これに対しスチュワードからは前戦ベルギーGPから導入されたばかりのブラック&ホワイトフラッグが振られた。同じことを繰り返せばペナルティの対象となり得るという警告の旗だ。
フェラーリ:ブラック&ホワイトフラッグが提示された。今のところ審議対象にはなっていない。
ルクレール:なんでだ!?
ハミルトンはコーナーで差を詰めるものの、最高速の伸びるフェラーリを捕まえ切れない。
ハミルトン:彼はストレートがスーパーファストだ
ハミルトン:もっとパワーが必要だよ!
それでも秒差で追い続けるハミルトンは、36周目の第1シケインの立ち上がりでルクレールを捕らえかけた。クルバグランデのアウト側から第2シケインへ向けて今度はイン側を狙って並びかけようとするが、ルクレールが際どいライン変更を見せ、ハミルトンは慌ててバックオフする。
ハミルトン:あれは危険なドライビングだ。
メルセデス:了解、我々も見ていたよ
レースコントロールからはブラック&ホワイトフラッグが振られているだけに、フェラーリとしてもルクレールに改めて警告を伝える。
フェラーリ:ターン4のブレーキング時にこれ以上ラインを変えるな。
必死に攻めるハミルトンと、必死に逃げるルクレール。先にタイヤが駄目になったのは、柔らかいミディアムを履いたハミルトンの方だった。
ハミルトン:もうそんなにタイヤは残っていないよ。
メルセデス:プレッシャーを掛け続けろ。
44周目、ハミルトンはついに音を上げた。
ハミルトン:このタイヤはもう何も残っていないよ。
メルセデス:ピットインを考えている。
メルセデスAMGはハミルトンをピットインさせて3番手に後退させ、ソフトタイヤでファステストラップを獲ることを決めた。代わってバルテリ・ボッタスが2番手に上がりルクレール攻略に挑む“二の矢”があったからだ。そのためにボッタスは第1スティントをルクレールより7周も遅らせてその分だけフレッシュなタイヤを履いて温存していたのだ。
メルセデス:カモン、バルテリ! 君の勝利が掛かっているぞ!
メルセデス:オーバーテイクボタンを使って良いぞ。
しかしボッタスのタイヤもある程度のグリップ低下が進んでしまっており、ストレートが速いルクレールに対して決定機を作ることが出来ないまま周回が進んでしまう。
そしてルクレールは53周をトップのまま走り切り、地元モンツァでフェラーリに9年ぶりの勝利をもたらした。
フェラーリ:やったぞ!
ルクレール:ウォォォォォ! イエーーース! イエーーース! イエス! イエス! イエーーース!
マティア・ビノット:カルロ、今日は我々のための1日だ!
ルクレール:みんな、ありがとう。本当にありがとう。君たちは最高だ! マンマミーア! 信じられない! 言葉が出てこないよ。みんな、本当にありがとう。最高だ!
前戦スパ・フランコルシャンでは薄氷を踏む思いで初優勝を手にしたルクレールだったが、モンツァでは同じ僅差でもストレートの速さという武器を使い尽くしメルセデスAMG勢を完全に抑え切っての勝利。モンツァに詰めかけた9万3000人のティフォシはルクレールの走りに熱狂した。この瞬間、まさに新たなスターがイタリアに誕生した。
(Mineoki Yoneya)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |