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F1オーストラリアGP決勝:フェラーリのベッテルがハミルトンを下し逆転優勝!

2017年3月26日

 3月26日、開幕戦オーストラリアGPの決勝が行われ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルがメルセデスのルイス・ハミルトンを下し逆転優勝を飾った。


 午前中は雲に覆われていたメルボルンだが、昼前には雲が晴れて気温も路面温度も上昇していき、午後4時の決勝開始時のコンディションは気温24度、路面36度の暑さとなった。


 FP3でクラッシュしてギヤボックス交換となったランス・ストロールは5グリッド降格で最後尾となり、Q3でクラッシュしてやはりギヤボックス交換を強いられたダニエル・リカルドも5番降格で15番グリッドから母国レースをスタートすることとなった。


 しかし、リカルドはガレージを出てグリッドに向かうところでコース上にストップしてしまい、トラックに乗せられてなんとかガレージに戻ることに。メカニックの必死の修理によりレーススタート3周目になってようやくコースインしレースに加わることとなった。


 フォーメーションラップを終えたところでグリッドの並びがきちんと整列されておらず、エクストラフォーメーションラップを行ないスタートをやり直すこととなった。これで決勝は1周減算の57周で行なわれることとなった。


 スタートでは2位ベッテルがやや加速が鈍かったもののなんとか2位を守り、ポールのハミルトンが悠々と首位をキープする。以下はバルテリ・ボッタス、キミ・ライコネン、マックス・フェルスタッペンとグリッド順に続き、フェリペ・マッサがロマン・グロージャンの前に出て6位に上がった。1周目のターン3でインに入ったケビン・マグヌッセンがマーカス・エリクソンに追突して2台はコースオフ。マグヌッセンはフロントウイングを壊した上にパンクしてピットイン、エリクソンはリヤにダメージを負ってダウンフォースを失ったが、2台ともにレースを続けることができた。


 3周目、ストフェル・バンドーンはステアリングのディスプレイが機能しなくなったと訴える。首位ハミルトンも「グリップに苦しんでいる」と訴えるが、2位ベッテルとかわるがわるファステストラップを更新し合って徐々に後続を引き離していく。


 ハミルトンは「28秒0で走るのは無理だ」「タイヤがオーバーヒートしている」と訴え苦しいレース序盤となるが、それでも3位ボッタス以下との差は徐々に広がっていく。


 10周目バンドーンがピットインしてマシンを再起動しコースに戻るが、電気系のエラーでMGU-Hから発電が止まり、10周目にピットインしてマシンを再起動してトラブルは解決したが大きく後退することとなった。14周目にはグロージャンが右リヤから白煙を上げながらピットインしてリタイア、パーマーもブレーキトラブルを抱えてスローダウンを余儀なくされ、16周目にピットインしてリタイアとなった。


 17周目、首位ハミルトンがピットインしてソフトタイヤに交換。しかし首位に繰り上がったベッテルはステイアウトを選び、ウルトラソフトのまま走り続ける。ここでハミルトンは5位を走っていたフェルスタッペンに引っかかってしまい、23周目まで引っ張ったベッテルがソフトタイヤに交換してハミルトンの僅かに前でコースに復帰し、首位奪還を果たした。


 25周目にボッタスとフェルスタッペン、26周目にライコネンがピットインし、全車がピットインを済ませた。順位は首位ベッテル、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ライコネン、5位フェルスタッペン。この中ではスーパーソフトのフェルスタッペン以外の上位4台がソフトタイヤを履いた。そこから10秒ほど離れて6位以下はダニール・クビアト、マッサ、セルジオ・ペレス、カルロス・サインツJr.と続き、10位を走るフェルナンド・アロンソはエステバン・オコン、ニコ・ヒュルケンベルグらを秒差で抑えてポジションを守り続ける。


 2周遅れでレースをしていたリカルドは、エンジンにトラブルが発生し25周でターン3にマシンを停めた。


 一時は逆転の可能性を掛けてプランB、つまり2ストップ作戦への変更も検討していたハミルトン陣営だが、ハミルトンがベッテルと同等の1分27秒台後半のペースを出せるようになったことでこれをやめて本来の1ストップのままでいくことを決めた。


 ここからは首位ベッテルと8秒差で2位ハミルトン、そこから3秒差で3位ボッタスが続く。4位ライコネンは20秒以上も引き離されて上位3台に対抗できない。ここからレースは膠着状態に入る。


 アロンソに引っかかっていたヒュルケンベルグは29周目にピットインして2ストップ作戦に。一旦は後方に下がるが、ウルトラソフトで47周目にはアロンソとオコンの背後まで迫ってくる。アロンソはサスペンションの不調を訴え、50周目から51周目のメインストレートで2台同時に抜かれてしまう。マシンが左に引っ張られるというアロンソはそのままガレージに戻りリタイアとなった。


 その前方ではトロロッソ勢が順位を入れ換えてフレッシュタイヤのクビアトにペレス攻略をトライさせるが、エンジンのエアに問題を抱えてピットイン。代わってサインツが猛プッシュでペレスに迫るが、ペレスが7位を守り切った。


 ベッテルは53周目にファステストラップを記録してハミルトンに格の違いを見せつけ、そのまま57周を首位のまま走り切って開幕戦オーストラリアGPを制した。ベッテルにとっては2015年シンガポールGP以来の優勝となった。


 ハミルトンは2位、ボッタスは3位、最後に56周目にファステストラップを更新してみせたライコネンが4位と2強チームがトップ4を占めたかたちとなった。


 5位は単独走行のフェルスタッペン、6位マッサ。7位ペレスの後方にはトロロッソ勢が続き、10位にはヒュルケンベルグを1.010秒差で抑え切ったオコンが自身初入賞を果たした。バンドーンは問題を抱えながら13台中最下位の2周遅れでレースを完走した。



(Mineoki Yoneya)


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