F1世界選手権における56年の歴史の中で開催スケジュールが最長となった05年シーズンも、今週末の中国GPで幕を閉じる。この最終戦が繰り広げられるのは、世界最大級の施設を誇る上海サーキットだ。
フェラーリは非常に厳しいシーズンを送っており、現在の調子ではミハエル・シューマッハーもしくはルーベンス・バリチェロが表彰台に上るには、少しだけ運が向いてこなくてはならないだろう。チームは、日本GPが終了した時点でコンストラクターズ選手権3位を確定したが、1998年以来初めて、タイトルを他チームの手に渡すことになってしまった。シューマッハーがドライバーズ選手権3位でシーズンを締め括る可能性があるものの、先週日本でマネージングディレクターのジャン・トッドは「7度の世界チャンピオンにとってみれば、3位で終わることなど少しも重要ではない」と述べている。
シューマッハーは、次のように語った。
「シーズン最後に表彰台に上れたら素晴らしいだろうけど、僕らが自覚すべきなのは、それを手にするチャンスはあまり高くないということだ。日本GP前は改良を加える予定がなく、それだけに状況が違ってくることはないと思う。日本での僕らのパフォーマンスには何ら特別なところはなかったし、躍進は期待できない。だけど、やってみなきゃ分からないよね。すでに上海での調子は予想できているとしても、金曜まで待つしかない。いずれにせよ、最良の形でシーズンを終えるためにベストを尽くすよ」
一方のバリチェロは昨年、中国GPの優勝者トロフィーに名前を刻んだ最初のドライバーとしての栄誉に輝いた。
ゆえに、チーム内で最も中国GPの重要性を感じているのは、たぶんバリチェロだろう。2000年のシーズン開幕以来、これがフェラーリから出走する103回目の、そして最後のレースとなる。これまでの優勝回数は9回で、全てフェラーリで成し遂げている。さらに彼は、ポールポジションは11回、表彰台は55回も獲得している。