新たなF1シーズンの最初のレースでは、大方の予想を大きく覆すスターティンググリッドが見られた。だが、そうした結果をもたらした新しい予選システムは、以前の方式よりもさらに評判が悪いようだ。
このシステムの恩恵を受けた者のひとりでありながら、レッドブル・レーシングのデイビッド・クルサードは、新しい合計タイムによるフォーマットを“茶番”だと酷評した。最初のセッションを襲った雨のため、2回目のセッションは事実上無意味なものになってしまったからだ。
「この予選システムは、僕らには実にありがたいものだったよ」とクルサード。「だが、それは僕らが期待していたものとはまるで違っていた」
「まあ、僕の考えが間違っているのかもしれないし、みんなはただ何が起きるか分からないレースを見たいだけなのかもしれない。だけど、あれはある種の茶番だった。F1をあまり極端なハンディキャップスポーツにするべきではない。チェルシー(注:イギリスのサッカーチーム)が勝ちすぎるからといって、何試合かの間、2、3人をメンバーから外させるようなものだ。フェアじゃない」
また、今年マクラーレンに移籍したファン‐パブロ・モントーヤは、観客にとって状況が分かりにくいという理由で、この新システムを積極的には支持できないという。そして、ルーベンス・バリチェロとミハエル・シューマッハーがそれぞれ11位と19位というグリッドからスタートするハメに陥ったフェラーリのチームボス、ジャン・トッドもこの新しいシステムに反対していた。
「車が十分なパフォーマンスを発揮できることは分かっているだけに、グリッドでの私たちのスターティングポジションにはただガッカリさせられるばかりだ。だが、これも運命だ。私たちにはどうすることもできない」
「コンディションがいつもとは違っていたことは間違いのない事実だ。この予選システムの目的は不確定な要素を増すことにあったのであり、それは見事に達成された。人々は日曜により多くのショー的な面白みを加えることを望んだ。しかし、私はそれによって何かが大きく変わるとは思わない」
「この予選方式はまったく好きになれない。1台が11位、もう1台が19位などという予選結果は見たくないね。以前から言っているように、私は何年か前の予選方式に近い形がいいと思う。1時間のセッションの間にそれぞれが12周して、その中の最速タイムを採るという方式だ。私はこれを支持したが、その意見には全員が反対したんだ……」
だが、クルサードもできればより“トラディショナルな”フォーマットへ戻してほしいと述べており、はたして新しい予選システムが今後も維持されるのかどうか、もうしばらく様子を見る必要がありそうだ。