チーム・マクラーレン・メルセデスにとって先のカナダGPは、今季のベストレースという結果になった。レース後のウイリアムズとトヨタの失格裁定により順位が繰り上がり、キミ・ライコネンとデイビッド・クルサードはそれぞれ5位と6位に入ったのだ。
昨年のアメリカGPでは、チームのナンバー1ドライバーであるライコネンがまだタイトル争いの最中で、これは日本GPまでもつれ込み、最終的に2ポイント差でミハエル・シューマッハーに栄冠を譲る結果となった。あれから1年で随分状況に変化があった。現在のライコネンはトップ6位入りできれば御の字、表彰台ならなおさらだ。
「アメリカGPはたくさんのアメリカのレースファンを魅了する一戦であり、それだけに毎年雰囲気は最高で、僕ももちろん楽しんでいるよ! 2003年のリザルトには天候が重大な要因となったが、今年は日程が6月に移ったので、レース中にあんな変わりやすく予想しづらいコンディションにはならないでほしい」とライコネン。
「どのチームにも相当きついだろうが、今のところ僕はこの連戦を楽しんでいて、インディでいい走りができることを願っている。ニュルブルクリンクに比べればモータースピードウェイは、完全なスピード重視型というわけでもないので、僕らの車の個性により合っていると思う」
一方のクルサードもこのサーキットを高く評価し、チームメイト同様、もし少しでもポイントを取れたらこれ以上のことはないと考えている。また、現行車に最新の改良点を盛り込んだ新スペックMP4−19Bでのレースを楽しみにしている。
「インディアナポリス・モータースピードウェイは、スパやモナコみたいにちょっと特別なところがある場所だ」とクルサード。「トラック自体は2つの極端に異なったセクションから成り、その両方に合わせて最大限に性能を発揮できるようダウンフォースは中程度の設定が必要になる」
「バンクを持った高速の最終コーナーから長く超高速なオーバルのストレートにつながる部分では、スロットルを全開にする時間が20秒ほどにもなる。このおかげで真の興奮といえるスピードの世界に飛ぶことができるよ。時速210マイル、335kmほどだ」
「もちろん他のサーキットでもこの時速に達することはあるが、こんな長い時間になることはまずない。こうした特性やバンクのために、あそこは個性的なイベントになっている。このセクションの終わりでステアリングを右に切り、ゴルフコースを縫うようなタイトなインフィールドセクションに入っていく」