ミナルディが先日発表したサードドライバー、バス・ラインダースは、2004年シーズン開幕のメルボルンでコースに出ることができなかった。スーパーライセンスに必要な走行距離が不足しているとしてFIAがライセンスの発給を認めなかったためだ。
このライセンスはF1マシンをドライブすることを望むいかなるドライバーにも必要だ。今季のレギュレーション変更により、下位6チームにはサードドライバーの走行が認められているが、ラインダースのようなサードドライバーにもその条件は適用される。
ラインダースはクリスマスの後、ジョーダンで初めてF1のテストに参加。その後しばらく動きがなかったが、今週初めにミナルディと契約し周囲を驚かせた。フォーミュラ・ニッサン・ワールドシリーズのトップドライバーであったラインダースは、ポルトガル人ドライバー、ティアゴ・モンテイロとともにリザーブ役となっていたが、5日朝にはミナルディのドライバーとしてオーストラリアGPのコースに登場する予定だった。だが結果として走行がかなわなくなったラインダースは、第2ラウンドのマレーシアでの走行を目指し、必要な走行距離を達するべく帰国した。
「テストドライバーであり、リザーブドライバーであるバス・ラインダースは、スーパーライセンス発給に必要なGPと同等の走行距離を完全にこなすためにヨーロッパに戻った」とミナルディ代表、ストッダートは不満げに語った。「今回彼が参加できなかったことは非常に残念だが、2週間後のセパンではチームに帯同し、彼はシーズンスタートを切れるだろう」
「去年とは規定が変わっていたんだ。去年は(サードドライバーについては)私が許可すればそれでよかった。彼は母国で発給されたAライセンスを持っているし、オープンホイールのレースでもう何千マイルも走っているんだからね。だが現実としてライセンスは下りず、彼は飛行機に乗って帰途に付いている。マレーシアでは走れるよう、イタリアに戻ってGP分の距離をこなす予定だ」
「個人的には、昨年のレギュレーション変更の多くは誤りだったと感じている。多くの変更があり、誰もがそれに慣れてきて、最終的にはその変更は悪くなかったと思われたようだが、またここで変更だ。そのことに意味があるとは思えない」
チャンプカーでフルシーズン参戦の経験のあるモンテイロは、ラインダースの代わりに走ることはなく、レギュラードライバーのゾイト・バウムガルトナーとジャンマリア・ブルーニのみがセッション走行を行った。