Lucky Strike B・A・R Hondaは、ジェンソン・バトン、佐藤琢磨の新しい布陣で開幕戦オーストラリアGPに臨む。今季から初日金曜日はフリー走行のみとなり、この日に限って選手権5位のB・A・R Honda以下のチームは、第3ドライバーも走行できることになった
午前中、走行には絶好のコンディションとなったが、路面のグリップは非常に低い市街地コースのため、1回目のセッション序盤は、ほとんど各チームの第3ドライバーだけが走る展開となった。
それでも30分を過ぎたあたりからレギュラードライバーが走行を開始し、午前中の最高タイムは、フェラーリのミハエル・シューマッハで、ジェンソン・バトンは8番手。佐藤琢磨は13番手。そしてデビッドソンは全24人中最多の25周を走って、第3ドライバー中最速の9番手につけた。
午後に入ってもフェラーリの速さは変わらず、すぐにトップ1-2を占める。しかしB・A・R Hondaも負けずに、バトンが、その時点で4番手のタイムを出し、トップ勢に食いついた。佐藤はセッション開始10分後に、12コーナーでアウト側にはみ出しスピンを喫してしまう。あわやコンクリートウォールに激突かと思われたが上手くマシンをコントロールし、自力でピットイン。その後再びコースインした佐藤は、バトンをしのぐタイムで暫定7番手につけた。
バトンは終盤の53分、1分25秒786のベストタイムを叩き出して、堂々4番手のポジションを獲得する。ところがその次の周回で、突然のスローダウン。そのままコース脇にマシンを止めてしまった。一方の佐藤はセッション終了間際に再びコースインしたが、タイムを更新することはできず、12番手に終わった。デビッドソンは15番手だった。
●中本修平
エンジニアリング・ディレクター
Honda Racing Development
「初日にしてはまずまずの出来で、ウインターテストをベースに予測した通りの結果でした。アンソニーが頑張ってくれましたが、2回目のセッション中に幾つか小さな問題があって、予定していたプログラムの全ては消化できませんでした。ジェンソンは最終ラップで問題が発生してしまいましたが、チームは問題点を見つけ、対策は万全です。とにかく、レースの現場に戻れて、なかなか良い気分です」
●ジェンソン・バトン
4番手
1'25.786
「新しいシーズンの始まりは、とても興味深いものになった。アンソニーにドライビングをほとんど任せっきりというのは、不思議な感じがするよね。彼のおかげで僕と琢磨は第2セッションにむけて、豊富なデータを取得することが出来た。今シーズン、僕と琢磨が決勝当日までにどれだけエンジンを温存出来るかどうかは、彼の活躍にかかっていると言ってもいいよね。僕達は3人とも、テストの時と同様にすごく上手くやっていけてるよ。去年から同じ顔合わせのコンビだから、改めて付き合い方を考える必要も無いので、このことも他のチームと比べて有利だと思う。マシンのフィーリングは良いし、タイヤの選択肢も豊富にあるから、B・A・R Honda 006にとって良いデビュー戦になると思うよ。路面がきれいになるにしたがって、コンディションがどんどん良くなっているから、明日更にセットアップを煮詰めるのが楽しみだよ。予選は面白くなりそうだね」
●佐藤琢磨
12番手
1'26.967
「グランプリに再び戻って来ることができ、とても嬉しいです。しかし、新しいルールに合わせるのは、とてもチャレンジングですね。走行時間はあまりなく、タイヤ選択は簡単ではありませんね。でも、チームが一丸となって上手く仕事をしていますし、我々3人のドライバーで同じ方向に向かって進んでいるので、心配はしていません。とにかく、今週末のこれからの展開がとても楽しみですよ」
●アンソニー・デビッドソン
15番手
1'27.516
「僕にとって初めての、レースウィーク初日の仕事を上手くできて満足です。他のドライバーと一緒になって、自分の名前がタイムに載ることは良い気分だったし、レースドライバーの2人には沢山のサポートができたと思う。自分のタイムには満足ですし、早くコースを覚えられたと思います。オフシーズンの間に、新しいサーキットを覚えるためにやってきたことが、上手く発揮できました。もちろん、ここにチームのドライバーラインナップの1人として居られることは、とても嬉しいです。チームと一緒にテストしている時と同様、居心地はとても良い。新しい金曜日のルールが上手く行って、チームの前進のために重要な要素になると思います」