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【レースの焦点】低温を読みきった勝者、明るい敗者と純粋なチームプレイヤー

2016年6月14日

 今宮雅子氏によるカナダGPの焦点。得意なジル・ビルヌーブ・サーキットを味方につけたルイス・ハミルトン。結果的に戦略でも敗れたが、負けて悔いなしの笑顔を見せたセバスチャン・ベッテル。チームとの共同作業で隙のないピットストップを実現し、静かに巧さを見せたバルテリ・ボッタス。そして、どんなときも温かくレースを見守る、モントリオールのファンたちへ。

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 カナダGPの功労者は、寒風のなかでレースを見守ったファンだった。温度計は12度を示していても、セントローレンス河の川面を渡って吹きつける風は冷たく、体感温度はずっと低い。晴天に恵まれれば蒸し暑く、曇り空なら凍えるような気候でも、変わらない熱い声援を送り続けるのがモントリオールの観客の特徴──カナダGPを構成する、いちばん大切な存在だ。

 ただし、ファンの熱気はレースに向かって上昇しても、金曜のFP2と日曜のレースで路面温度が20度も異なると、タイヤは同じようには働かない。フェラーリがレースの作戦を読み違えた要因のひとつだ。

 舗装の目が細かく、高速コーナーの乏しいジル・ビルヌーブ・サーキットでは、もともとタイヤ温度を作動領域に入れるのが難しい。路面温度が下がるとタイヤはいっそう冷えやすくなり、長いストレートの先のブレーキングでフラットスポットを作ってしまうリスクが大きくなる。一方で、メルボルンと並んでシーズン中もっとも燃料消費の大きなコースでは、燃費走行も心がけなくてはならない──ペースを抑えつつ、タイヤ温度を維持する巧みなドライビングが必要なのだ。

 そんな作業を誰よりも冷静に、淡々とこなしたのがルイス・ハミルトン。ラッキーな要素はいくつかあったものの、予選でもレースでも強さを発揮した。

「カート時代から、誰よりもブレーキングを遅らせるのが僕のスタイルだった。それが、このコースに合っているのかな」と、モントリオールとの相性を説明した。ストップ&ゴーのレイアウトでタイムを向上するにはブレーキングと加速がカギ──空力コースなら“突っ込み過ぎ”と映るドライビングでも、ここではロスがない。それを熟知しているハミルトンは毎年フリー走行のあいだに1コーナーとシケイン、風向きによってはヘアピンのブレーキングでトライ&エラーを繰り返し、最高のバランスを見出してくる。

 ポールポジションからのスタートは今回も失敗、セバスチャン・ベッテルに先行されたものの、ハミルトンは落ち着いていた。モナコGPで取り戻した“運”と一緒に、ニコ・ロズベルグとの攻防でも以前の“強気”を取り戻し、「アンダーステア」でチームメイトをアウト側に押し出した。





レース

7/5(金) フリー走行1回目 20:30〜21:30
フリー走行2回目 24:00〜25:00
7/6(土) フリー走行3回目 19:30〜20:30
予選 23:00〜
7/7(日) 決勝 23:00〜


ドライバーズランキング

※オーストリアGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン237
2位ランド・ノリス156
3位シャルル・ルクレール150
4位カルロス・サインツ135
5位セルジオ・ペレス118
6位オスカー・ピアストリ112
7位ジョージ・ラッセル111
8位ルイス・ハミルトン85
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

※オーストリアGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング355
2位スクーデリア・フェラーリ291
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム268
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム196
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム30
7位マネーグラム・ハースF1チーム19
8位BWTアルピーヌF1チーム9
9位ウイリアムズ・レーシング2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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