アブダビGPが終了し、コース上での2015年シーズンは幕を閉じたが、コース外での選手権はまだ完全には終了していない。FIAによるパワーユニットのテクニカルチェックがまだ残されているからだ。

　FIAの技術部門のあるスタッフは、こう証言する。
「まだ詳しい日程は決定していないが、年内にFIAがパワーユニットをチェックすることは決まっている」

　検査されるのは、パワーユニットのみで、普段グランプリ期間中の車検でチェックしている車体に関するチェックは行われないという。

　気になるのは、どのパワーユニットがチェックされるのかだ。FIAのあるスタッフによれば、「現在、対象となっているのは、メルセデスAMGとフェラーリ」だという。この2チームのパワーユニットになんらかの嫌疑がかけられたのだろうか。
「いや、そんなことはない。この検査はFIAによる通常のインスペクション。昨年もやっているが、何も問題はなかったので、一般には公表されなかっただけ。現時点でメルセデスAMGとフェラーリは決定しているが、そのほかにも数チームがピックアップする予定で、特にメルセデスAMGとフェラーリを狙ったものではない」（別のFIA関係者）

　さらに、FIAの関係者は、「検査対象になるパワーユニットは、最終戦で使用されたものとは限らない」と言い、こう続ける。「まだ、正式に決定はしていないが、おそらくアメリカGPで使用したものになるのではないか」

　このFIAの検査が終了して、2015年のF1グランプリは、正式に閉幕することになる。

（尾張正博）

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