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ベッテルがROC初V、他のF1勢はベスト4残れず

2015年11月22日

 22日に英ロンドンのオリンピックスタジアムで開催された『レース・オブ・チャンピオンズ』で、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが悲願の初優勝を飾った。

 過去の国別対抗戦『ネイションズ・カップ』で2007年からミハエル・シューマッハーと共に6連覇を達成しているベッテル。しかし、個人戦としては今回が初のファイナル進出となったベッテルは、4度目のファイナルで初の頂点を狙った9度のル・マン24時間ウイナー、トム・クリステンセンをストレートで破り、7度目の挑戦にしてようやくチャンピオン・オブ・チャンピオンズの称号を手に入れた。

 初戦でペター・ソルベルグにストレート勝ちしたベッテルは、続くクォーターファイナルでダニエル・リカルドを倒して勝ち上がったニコ・ヒュルケンベルグとのF1対決に勝利。セミファイナルでは、ジェンソン・バトン、フェリペ・マッサ、スージー・ウォルフらのブロックを勝ち抜いた昨年のウイナー、デイビッド・クルサードを2対1で破って最後の戦いへと駒を進めた。

 3本勝負のファイナルでは、ネルソン・ピケJr、ジェイソン・プラト、アレックス・バンコムを破ったクリステンセンと対決。ベッテルはラディカルSR3 RSXで争われた最初のヒート1を制すると、クリステンセンのROCバギーに起きたトラブルで急遽、KTM XBowで争われることになったヒート2もライバルのコースオフなどで大量リードを奪い先にチェッカー! 念願の頂点に立ったベッテルは久々のドーナツターンで喜びを表した。

 今回のROCでは前述のヒュルケンベルグvsリカルドのほかに、ジェンソン・バトンvsフェリペ・マッサ、クルサードvsウォルフなど現役および新旧F1ドライバー同士による興味深い対戦もみられた。地元期待のバトンとマッサの一戦はストレートでマッサが勝利。ウォルフはクルサードにストレートで敗れたものの、今回の一戦を自身の引退レースにしていたスージーは戦いを終えるとマシンを降りてファンの声援に応え、その様子を夫のトト・ウォルフが見守るというシーンも印象的だった。
 またレースの前には、ベッテルと共にネイションズ・カップを6連覇した記録を持つミハエル・シューマッハーの回復を願って、彼へのメッセージが書かれたICM(脳・脊髄研究所)のフラッグを全ドライバーが掲げている。

 2012年のROCウイナーであるロマン・グロージャンと彼の後任として来季ロータスからF1デビューするジョリオン・パーマーはそれぞれ初戦敗退。合間のイベントでメルセデスのF1マシンによるデモランを披露したDTM王者のパスカル・ウェーレインも初戦でアンディ・プリオールに敗れた。

 なお、前日21日に行われた国別対抗戦『ネイションズ・カップ』は、予備ラウンドから勝ち上がったプリオール/プラトのチーム・イングランド1が、オールストレート勝ちでファイナル進出を決めたベッテル/ヒュルケンベルグのチーム・ドイツを2対1で破って地元イギリスに初の栄冠をもたらしている。

【写真ギャラリー】2015 レース・オブ・チャンピオンズ




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