F1パドックで囁かれる裏話──そこには記事にできない極秘情報もあれば、実に些細なよもやま話もある。今年『F1速報』本誌から携帯サイトへ“移籍”した人気コーナー「パドック裏話」の拡大版として、トム・ハンター氏（仮名）の同僚にお集りいただいた。なお、当のハンター氏は事情により欠席。今回、禁断の座談会に出席してくれたジャーナリストは以下の3名だ。彼らの身元を明かすことはできないため、最小限のプロフィールで勘弁してほしい。

A氏：美食と美女には一家言ありの情報通ジェットセッター
B氏：どんなことも斜めに見てしまう（？）悪気のない毒舌家
C氏：ぱっと見ラテン系、パドック滞在時間No.1でネタの宝庫

──今回は2014年F1の前半戦を振り返っていただきたいのですが、テーマは場外ネタ。レースの話ではなく、チームやドライバーにまつわる話をお伺いします。場合によっては、今年の前半戦に限った話ではなくても構わないという広範囲かつ、ゆる〜い設定で行きたいと思います。それではランキング順ではなく、ノリと流れと雰囲気で、まずはインドのチームから。

■いつかフォースインディアのカレーが食べたい！■

A氏：やっぱり、ここはカレーがおいしい。常にインドカレーが用意されている。
B氏：フォースインディアはゲストにはすごく手厚いけど、一見さんのジャーナリストに冷たいチームとしてはパドックで一番だな。
A氏：ビシッと『ゲストしかダメ！』みたいな。
──いきなりカレーの話になりましたが、メディアに冷たいのは伝統なんですか。
B氏：フォースインディアになってからだね（そもそもはジョーダン、ミッドランドを経て前身はスパイカー、2008年から現名称に）。
A氏：しかも、あのホスピタリティは薄暗くて雰囲気が悪い。
B氏：ジョーダン時代は、すごくフレンドリーだった。そういやミッドランドとかスパイカーの時代はほとんど記憶にないね。
A氏：スーパーアグリが使う前のもので、すごく小さいホスピタリティだった。
B氏：とにかくフォースインディアになってからメチャクチャ感じが悪くなったんだ。
──それは、ジャーナリストの国籍に関係なく？
C氏：国籍に関係なくフォースインディアでジャーナリストが飯を食ってるところは見たことがない。イベントがあるときじゃないと無理。
B氏：たとえば夕方ドライバーのカコミ取材があってジャーナリストが行くだろう？ ホスピタリティにはバーカウンターがあって、お菓子が並んでるから話を聞きながらつまもうとすると『これはゲストのだから』って絶対に食べさせてくれない。
A氏：ドケチ・インディア（笑）！
B氏：フォースインディアのデイブはパドックでは有名なシェフで、とってもフレンドリーなんだけど、ジャーナリストは絶対に食べさせてもらえないから、勝手口に回って食べさせてもらったこともあった……。
C氏：おいおい、そんなことしてるの？
A氏：シェフのデイブは以前ホンダにいたことがあって、日本食も作れるんだよね。週に1回くらいは日本食がチームスタッフ用に出ているみたいだよ。
C氏：それは知らなかった。フォースインディアは金土日どれかは必ずインドのメニュー。でも、せっかく努力してるのに誰にアピールしてるんだ？　インド人のスタッフはいないのに。
B氏：ゲストのためだろうね。そのカレー、メカニックは食べているの？
C氏：食べてる。そういえば、カレーはインドというより日本向きのカレーらしい。デイブは日本食も得意だから、なぜか日本風カレーという噂だ。フォースインディアなのに。
A氏：米も日本の米が用意してあって、インド米じゃないと聞いている。
B氏：それはゆゆしき事態だ。F1速報で潜入するべきだな。
C氏：その日本風カレーはウマイと評判だから私も一度は食べてみたい。フォースインディアで取材のとき、取材相手が「食事しながらでもいい？」というので構わないと言ってインタビューしたことがあるが、相手は目の前でカレーをパクパク食べながら話していて「うまそうだなあ〜」と思っていたら、半分話が分からなくなったことがある。
Ｂ：そ、そこまでのカレーなのか？
──ちょっとカレーの話が長くなりました。ドライバーについての話はありますか。
A氏：やっぱり、ミスター・ペレスだね。
B氏：チーム内はペレスよりヒュルケンベルグを買ってる人が多いんじゃないかな。
A氏：それよりディ・レスタとかスーティルのほうが良かったと思ってる人が多いよ。ただ僕の印象だけど、ペレスはザウバー時代やマクラーレンに入った当初のイケイケな感じはなくなって、ずいぶんフレンドリーになった気がする。

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