プロ野球選手はもちろんサッカー選手、テニスプレイヤー……ほぼすべてのプロスポーツ選手には、アスリートを“コーチングするプロ”が存在する。もちろん、モータースポーツにおいても例外ではなく、ドライビングコーチというものが存在する。
日本ではあまり有名な存在ではないかもしれないが、レースの本場イギリスをはじめ、ヨーロッパにはドライビングコーチというのはメジャーな存在であり、さらにスクールなどモータースポーツを楽しみ、上達するための環境が整っている。
2月1日に発売されるオートスポーツNo.1349号では、編集部員が本場イギリスに渡り知られざるドライビングテクニックの日本とヨーロッパの違いについて特集している。その中でも、ジェンソン・バトンやキミ・ライコネンなどF1トップドライバーたちから“Rob is the Best”と熱い支持を受ける、ロブ・ウィルソンのインタビューが掲載されている。
彼はアマチュアからミドルカテゴリーのドライバー、そしてF1まで多くのドライバーにレッスンを施してきたコーチ。現在はウイリアムズのドライバーのコーチングも担当しているが、その理論は非常に論理的で、かつ独特の言い回しをもつ。
ウィルソンはインタビューの中でさまざまな例えを挙げ、ドライビングの観点で重要視している部分を語ったうえで、「私の持論から言っても、キミ・ライコネンがベストだ」と言う。彼の独特の言い回しと理論は、ぜひ一読をお勧めしたい。
では、小林可夢偉はどうか? 「可夢偉は象徴的だね。日本人は“サドン(唐突)”という言葉がぴったり来る。ショックで体がバレエの『白鳥の湖』のような動きをするんだ」とウィルソンは語る。実に気になる表現だが、可夢偉へのレッスンは残念ながら「私の予定帳が埋まってたこともあって実現できなかった」とか。
「日本人は勉強もできるし、学ぶこともできる優れた民族で、素晴らしい教育システムがある。そんな日本にドライバーズコーチのシステムが確立されていないことが驚きだよ」とウィルソン。オートスポーツNo.1349号には、その他にも日本人にとっては驚きとも言える、本場イギリスのドライビングスキル向上のための施設たち、そしてドライビング理論、“日本式”と“欧州式”の違いについて解説されている。