フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロが、フェルナンド・アロンソを本来の契約より1年早く起用することになった経緯について説明した。

　フェラーリは2010年末までフェリペ・マッサとキミ・ライコネン、両ドライバーとの契約を有していたが、2009年末でライコネンを放出、アロンソと契約した。すでにアロンソとは2011年からの契約は結んでいたものの、これを1年前倒しにしたのだという。

「我々は2007年以来彼のことを見てきた。そして今年の夏、ドメニカリと私はこの件について話し合った」とディ・モンテゼモロはフェラーリのクリスマスディナーにおいて、メディアに対して語った。

「彼は非常に才能のあるドライバーだ。速さがあり、チームと共に作業をする能力も高く、勝利に対する素晴らしい集中力を持ち合わせている」

　ディ・モンテゼモロは、前任者のライコネンは“ほとんど会話に加わらなかったし、実際全く話をしなかった”として、エンジニアらと協力して熱心に仕事を進めてくれるドライバーが欲しかったと、アロンソ起用の理由について説明している。

「彼は彼のキャリアのもっとも適した時期にフェラーリに加入することになったと思う。我々は2011年にはドライバーふたりともが契約が切れることになっており、（アロンソとは）すでに2011年に関する契約が合意に達していた。その後、我々のチームには、エンジニアと強い協力関係の下で作業を行う能力があるドライバーが必要であることがわかった。キミは非常に素晴らしい才能の持ち主だが、彼の生来の性格にはそういう部分はなかった」

「その後、フェリペが予期せぬ事故に見舞われ、決断を下す前に彼の状況を見極める必要が出てきた。彼が問題ないことがはっきりし、ルノーの状況を考え、我々は1年早くアロンソを加入させるために動くことにした」

「ひとつはっきりさせたいのは、キミがマラネロにいた間にフェラーリのためにしてくれたことすべてに、我々は非常に満足していたということだ。彼は加入した最初の年にワールドチャンピオンを獲得した。2年目にはコンストラクターズタイトル獲得のために重要な役割を果たしてくれた。今シーズンは、難しい時期でありながら、我々のために1勝を捧げてくれた」

「しかし我々は、チームの作業の仕方に関して必要な別のものがあることに気付き、その結果、アロンソを選んだ。サンタンデールの役割？　当然彼らは喜んでいる。だが、ドライバーを決めるのはスポンサーではない。我々のチームにおいて今まで一度もそのようなことはなかったし、今後も決してない」

　アロンソは、2007年、マクラーレンでチーム上層部とうまくやることができず、当初の契約期間を残し、わずか1年で古巣ルノーに舞い戻っている。しかしディ・モンテゼモロは同じような問題が起こることはないと確信している。

「ドメニカリとはこの件について、一度ならず何千回も話し合った。フェルナンドとも話をし、“君は自分のために走るのではない、チームのために走るのだ。自分自身のために走りたければ、自分のチームを立ち上げればいい”と話した。彼はとても頭のいい男であり、やる気も非常にある。そしてミスを犯したことは自分で分かっている」BODY2

• -
  ツイート
• 0
  シェア