ゲルハルト・ベルガーは、スクーデリア・トロロッソの新車STR3が初期トラブルに悩まされていることを認めている。その一方で、ディートリッヒ・マテシッツがチームの売却を実行するとしても、レッドブルがチームに留まってくれることを願っている、とも明かした。
エナジー飲料会社レッドブルの創始者マテシッツは、先週、レッドブル・レーシングの姉妹チームであるトロロッソを、カスタマーカーが非合法化される2010年シーズンの前に売却するつもりだと表明した。マテシッツは、2種類の別々のマシンを製造するよりも、そのときからは1チームのみに集中する必要があると強調した。そしてベルガーは、トロロッソの将来が不確かであることを認めた。
「F1には常に、3つか4つ、苦労している独立チームがあるものだ」と、F1で9度の優勝経験を持つベルガーは語った。
「F1は常に戦いだ――財政的な戦いであり、技術的な戦いであり、政治的な戦いなんだ。(私たちは)常に戦っているが、これを乗り越えなくてはならないし、レッドブルのようなパートナーを持てていることは非常にラッキーだ」
「レッドブルが参入したときから、彼(マテシッツ)が、1つのテクノロジーセンターで2つのチームを、相乗効果を持って運営できる場合のみにおいて、2つのチームを運営していくつもりだったことは、常にはっきりしていた。2010年からは、それが困難になるので、彼は“2つのチームでクルマを作って戦うつもりはない”と言っているのだ。私は彼の考えと、彼のなすべきことを完全に尊重する」
「私にとって、彼の声明の中で最も重要なのは、彼が自分の持ち分を売却するとしたら、自分と同等かそれ以上の人物を見つけられるときに限ってのみ、売却するつもりだ、と発言している点だ。だからチームの将来は安泰だ。この時までは、私のポジションがどうなるのかはわからないが、ただF1に留まってサーキットの後ろを走っているだけ、というのは嫌だね」
マテシッツと共にチームの共同オーナーを務めているベルガーは、“ベルガーによる買収”が可能性に入ってはいない、ということも強調した。そして、レッドブルが、メインスポンサーを降りたとしても、チームの支援を継続してくれることを期待している、と付け加えた。
「ちょっとした問題があるんだ」とかつてフェラーリとベネトンでドライブしていたベルガーは冗談めかして言った。
「その金はどこにある?いや、レッドブルのようなパートナーを持てて、私はとてもハッピーだ。今は完璧な状況なんだ。私にとっては、F1で活躍するためのリソースと可能性があるということが重要なのであって、それ以外はたいしたことじゃないんだ。誰であれ、強力なパートナーが必要だが、それが引き続きレッドブルであってくれればいいと思っているよ」