Honda Racing F1 Teamは今週、マレーシアから同様に暑い中東バーレーンへと向かう。同地サキールで開催される第3戦バーレーンGPに挑むためだ。
2週連続開催のため、その間テストを行う余裕はない。チームは、RA107から性能を100%引き出すべく全力を尽くす一方で、イギリスのファクトリーと日本の栃木研究所では、ヨーロッパラウンドに備え、マシン開発の真っ最中である。
中本修平
シニア・テクニカル・ディレクター
「スタート時のポジションを思えば、マレーシアGPでのバリチェロとバトンは、いい位置で完走できたといえます。現時点ではマシンの戦闘力に欠けますが、その中でも、精いっぱい性能を引き出すことができました。直前にテストができないために、次戦バーレーンGPも苦しい戦いになるでしょう。一方で、ファクトリーでは、引き続き開発が進められており、5月から始まるヨーロッパラウンドまでには、進化が期待できるはずです」
ルーベンス・バリチェロ
「次戦までにマシンを進化させる時間はないから、今の力でベストを尽くすしかない。いろいろ問題があり、改良の余地はある。特に予選でのパフォーマンスをもっと上げなければならない。その方向で作業を進め、トップ10以内に入れれば、レースでもポイント獲得に近づけると思う。このレース後は、大きなマシンの進歩があるはずだ」
ジェンソン・バトン
「ここでは、すばらしいレースが体験でき、走っていて楽しいサーキットだ。レイアウト的には、高速区間が充実している。ターン4、5のシケインは、かなり攻めないといけないし、その後のターン9、10も、左・右と素早いステアリング操作が求められる。抜けるポイントがあるのもうれしい。特に長いストレートからの1コーナー。前を走るクルマが、
唐突に早めのブレーキングを踏んだりするから、そのあたりは特に気をつける必要がある。 自信を持ってブレーキングすることが、ここでいいタイムを出す何よりの秘訣だ。マシン性能を信じ、ちゃんと止まってくれることを疑ってはいけない」
「ここで一番攻めがいがあるのは、ターン14。ブレーキングからターンインへと、非常に速さが求められる。だからここでは特に、イン側のタイヤをロックさせないようにしなければならない。コース上には絶えず砂が吹きつけているから、周回ごとにグリップ状況が変化する。そのあたりも、難しい点だ」