ルイス・ハミルトンが栄誉ある2006年度のローレウス・ワールド・スポーツ賞にノミネートされ、彼をマクラーレンのシートに座らせることにしたロン・デニスの決断の正当性が高まることになった。
スポーツ界全体を対象としたローレウス・スポーツ賞において、ハミルトンは、ユーロF3およびGP2のタイトルを獲得してF1へと駆け上がった実績が評価され、“ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー”にノミネートされた。候補者の名前は新年早々にも公表され、来春には受賞者が決定する。
ダブル世界チャンピオンのフェルナンド・アロンソをチームメイトに、来年3月に行われるオーストラリアGPでF1デビューを果たすハミルトンは、コンペティティブなGP2シリーズで1年目にしてタイトルを獲得してマクラーレンのシートを射止め、モータースポーツ界の頂点で戦う初の黒人ドライバーとなる。契約が正式に発表され、シーズン後のテストでは印象的なパフォーマンスを見せたハミルトンだが、関係者によれば、本人はタイトルを獲得した時点でレースシートを得られることを知っていたという。
ハミルトンは、2006年シーズンにネルソン・ピケJrとバトルを展開し、ここ数年で最も競争が激しいと言われる“ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー”にノミネートされた。他には、陸上選手のハリー・アイキンズ−アリーテイやザビエル・カーター、韓国の女子プロゴルファーのイ・ソンファ、水泳選手のブリッタ・シュテフェンやロール・マナドゥ、中国の女性サッカー選手である馬暁旭、馬術の世界チャンピオンで英皇室関係者のザラ・フィリップスが候補者リストに挙げられているという噂だ。
モータースポーツ界では、MotoGPのルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたダニ・ペドロサが候補に上がっているようだ。ペドロサは、GP250クラスのデビューイヤーにもルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しており、GP250タイトルを取った2005年にも、ローレウス・スポーツ賞にノミネートされている。MotoGPクラスにステップアップした2006年は、バイクの大きさから言って体格的に不利だと考える者もあったが、上海GPやドニントン・パークでのイギリスGPで優勝して実力を示し、シーズン終盤までタイトル争いに加わっていた。
女子テニスプレーヤーでグランドスラムを達成したアメリ・モレスモや、中国人ペアのヤン・ツィ/チェン・ジィ組もノミネートされる可能性がある。また初出場となったワールドカップで、ベスト16入りを果たしたガーナの男子サッカー・チームや、ドイツ代表のルーカス・ポドルスキも同様だ。
サイクリング界からは、EBウイルス感染症を乗り越え、今年度のツール・ド・フランスで、ベストヤングライダー賞のマイヨ・ブランを獲得したダミアーノ・クネゴがノミネートされている。その他、NBAで初のヨーロッパ人プレーヤーとしてドラフトの1位指名を受けたアンドレア・バルニャニも候補の1人だろう。
モータースポーツ界は、ローレウス・スポーツ賞の常連となっている。昨年はコンストラクターズタイトルを獲得したルノーF1チームがチーム賞を、MotoGPのバレンティーノ・ロッシがスピリッツ・オブ・スポーツ賞を受賞した。また2005年のカムバック・オブ・ザ・イヤーにアレックス・ザナルディが、2002年のニューカマー・オブ・ザ・イヤーにはファン‐パブロ・モントーヤが輝き、ミハエル・シューマッハーもスポーツマン・オブ・ザ・イヤーを2度、獲得している。