マクラーレン・メルセデスは、バルセロナテストの3日目(木曜日)に、ミカ・ハッキネンが2001年以来初めてF1カーのステアリングを握ることを明らかにした。
マクラーレン在籍中の98年と99年にワールドチャンピオンとなったハッキネンは、F1からの引退以来初のコクピットへの復帰が可能かどうか、チームに打診していた。また、チーム側も38歳になった彼の経験を生かし、2001年日本GPでの最後のドライブからマシンがどのように変わったかについてのフィードバックを得るために、時間を割くことを決めた。
「再びチーム・マクラーレン・メルセデスのF1カーをドライブすることになって、本当に興奮している」とハッキネン。
「2001年シーズンの終わりに引退してからも、F1世界選手権にはずっと関心を持ち続けていた。だが、僕が本気でもう一度F1カーをドライブするチャンスがほしいと感じたのは、チームのゲストとして今年のブラジルGPを訪れたときだった」
「ウォーキングにあるチーム・マクラーレン・メルセデスのシミュレーターは何度か試してみたし、MP4‐21をドライブする機会をずっと心待ちにしていた。これを実現させてくれたロン(デニス)とノルベルト(ハウグ)に感謝したい」
「このテストは、僕にとってはF1カーがどれほど進歩したかを知り、実際に乗ってみるとどんなものであるかを直に経験するチャンスだ。また、クルマのパフォーマンスについて、いろいろな面でチームにフィードバックを提供することもできるだろう」
チームボスのロン・デニスは、このテストが一度限りのものであり、それ以上の予定は何もないと指摘しながらも、ハッキネンの経験とフィードバックが2007年シーズンに向けての準備において重要な役割を果たすだろうと述べた。
「ミカに再びF1カーをドライブする機会を提供することができたのは、私たちにとっても嬉しいことだ」とデニス。
「彼は最新のF1カーのステアリングを握るのを心から楽しみにしている」
「彼のようなレベルのドライバーとその経験は、私たちのテストプログラムにさらなる価値を与えてくれるはずだ。また木曜日の走行を終えた後の彼のフィードバックは、2007年シーズンに向けた私たちの準備において、チームにとって貴重なものになるだろう。しかしながら、現段階ではミカがチームのためにさらにテストを行う計画はない」
また、過去2シーズンにわたってDTMでハッキネンを見てきたメルセデス・ベンツのモータースポーツチーフ、ノルベルト・ハウグは、彼が現代のF1カーにどのように適応するかに関心を持っているものの、やはりこれが一度限りのテスト以上のものではないと述べた。
「ミカはマクラーレン・メルセデス・ファミリーのきわめて重要な一員だ。2度のF1世界選手権タイトルとチームでのグランプリ20勝によって、彼はマクラーレン・メルセデス・フォーミュラワン・チームの成功に多大な貢献をしてきた」
「2005年以来、彼はDTMツーリングカー選手権で戦い、そのスピードとコミットメントは全く失われていないことを証明している。彼が再びF1カーのステアリングを握るのを見られることに、チームの誰もが喜びを感じている。ただし、このテストの後、ミカがF1に復帰するという結論を引き出そうとすべきではないだろう」