悪名高いサンパウロのストリート犯罪が問題化しているブラジルだが、ニック・ハイドフェルドはインテルラゴスで今シーズンを成功裏に終わらせたいとGPを楽しみにしている。
ハイドフェルドは、F1ドライバーとして目立つ存在ではないが、BMWで初めてのシーズンとなった今年は印象的なパフォーマンスを見せてきた。最終戦のブラジル戦では3ポイント以上を獲って、キャリア最高のポイントスタンディング8位でシーズンを終了したいと意気込んでいる。
たしかに、ハイドフェルドが狙っている8位は、ファン-パブロ・モントーヤがシーズン途中にF1から離脱して以来、ポイントに変化のないもので、また7位のルーベンス・バリチェロとはポイント数がいささか離れているが、それでも彼は、歴史の浅いBMWチームとともに自己最高位を手にする可能性がまわってくるとは思ってもいなかったようだ。
一方、チームはコンストラクターズ選手権で、トヨタをわずか1ポイント上回る5位につけており、このままトヨタを抑えて5位の座を死守しようと考えている。鍵を握るのは、ここ7戦で5回のポイントフィニッシュを飾り、2001年にはBMWチームの前身、ザウバーで、これまで4度の表彰台のうち最初の表彰台をブラジル戦で飾ったハイドフェルドのドライブだ。
「サンパウロを訪れるのはいつも楽しい。インテルラゴスは僕のお気に入りのサーキットだし、シティ上空のフライトも楽しい。どこまでも家が続く美しい町並みを見下ろしながら、上空を飛んでいるのがとても好きなんだ」
「残念なことに、サンパウロでは犯罪が問題化している。大都市にはよくあることだけどね。でも僕たちドライバーは犯罪に会ったことはない。ブラジルでのよき思い出といえば、もちろん、ザウバーで2001年に初めて表彰台に上ったことだ」
「あのときはウェットコンディションで難しいレースだった。でも、すべてがうまくまわり、最終的に、デイビッド・クルサードとミハエル・シューマッハーに続く3位表彰台を獲得できた」
ハイドフェルドにとって今度のブラジル戦は2年ぶりとなる。昨年はケガでシーズンを早々と終え、ブラジル戦も欠場した。今年は、昨年の悔しさとともに虚心坦懐の気持ちで最終戦を素晴らしい成績で終えたいと考えている。
「フェラ・デュラ・ターンは全カレンダー中、最高のターンの1つだ。もっとも、バンピーな路面はそんなによくないけれどね。でも、僕がケガで出られなかった去年は、みんな、よくなったと言っていた。今年はそれを自分で確かめてみたい。シーズンの最終戦を成功裏に終わらせたいね」