現F1チャンピオンのフェルナンド・アロンソによれば、2006年にレギュレーションの変更によってマシンのパワーが減少しても、F1はまったく楽にはならないだろう、ということだ。
来季、トロ・ロッソを除く全チームがV8エンジンで走ることになる。トロ・ロッソは引き続きコスワースV10を使用するが、V8の出力に合わせて制限をかけた状態で走らねばならない。ヘレステストに参加したアロンソは、先週金曜に、制限をかけたV10エンジンのR25で初走行し、2006年のマシンのシミュレーションを初体験した。彼は、確かにパワーの損失は感じられるが、F1はやはり大変だろうと語った。
「僕にとってポジティブな一日だった」とこの日の3番手タイムを記録したアロンソは述べた。「来年どんなふうになるかを理解するために、シミュレートされたエンジンパワーで走行したんだけど、すべてはうまくいった。パワーの低下はすぐに分かるけれど、あっという間に慣れるし、どのみち誰もが同じことに対処しようとしているんだからね」
「パワーが落ちても、F1マシンのドライブは少しも楽にはならないと思う。本当に限界でドライブするなら常に難しいものだし、それはF3マシンでもF1マシンでも、V10エンジンでもV8エンジンでも変わらないだろう。僕らはシミュレートされたセットアップで、コンペティティブなラップタイムを出せたし、来年の(新車)R26でも同じことができると確信しているよ」
一方、ルノーのチーフ・テストエンジニアであるクリスチャン・シルクは、チームが2005年シーズン最後のドライでのテストを終了した後、大きな満足感を表明した。フランク・モンタニーがもう1台のR25でこの日最速だったうえ、アロンソとモンタニーが合わせて200周以上を走行できたからだ。
「ドライ走行の最終日は非常に有意義だった」とシルクは結論づけた。「どちらのマシンも、またトラブルフリーで走れたし、ドライバーたちはそれぞれプログラムを完了できた」
「フェルナンドは、V8のパワーレベルを学んで興味深い一日を過ごしたし、すぐに戦闘力を発揮した」
「フランクは、チームでのテスト最終日の前日をふさわしい状態で終えた。たくさんの周回をこなし、タイムシートのトップを獲得したのだ」
「土曜日、彼は私たちとの最後の走行を行う。過去2年間にしてくれたすべての仕事に感謝したい。彼は常に100%をチームのために捧げ、前進を助けてくれたし、私たちはその仕事の成果を目にすることができた。彼の将来の成功を祈りたい」