モータースポーツの統括団体であるFIAは、ミシュランの2006年いっぱいでのF1撤退の決断を受けて、彼らに対する感謝を表明しながらも、今年のアメリカGPについて、一言皮肉を交えた。
FIAの発表した短い声明は、ミシュランのこれまでの働きに対し、さらに撤退の通知期間を守ってくれたことに対し感謝を表していた。しかし、ミシュランユーザー7チームが安全上の懸念から参加できなかった、あのアメリカGPの件には触れずにいられなかったようだ。
あのイベントのせいもあって、あと何年かで実施されることが提案されている単一タイヤサプライヤーのルール導入よりも前に、ミシュランがF1からの撤退に追い込まれたのだ、と感じている者は多い。ただし、ミシュランはその声明の中で、2つかそれ以上のマニュファクチャラーが競い合う状態が失われることと、相談なしにルールが変更されてしまうことが、撤退の決断につながったと主張している。
FIAの声明文は、次のように述べている。「FIAは、2006年いっぱいでF1から撤退するという、ミシュランの発表を受け取った」
「F1に関わる全員が、ミシュランの払ってきた努力に心から感謝し、必要な1年間の通知期間をおいてくれたことに感謝する」
「参戦中の各チームはFIAに対して、繰り返し、全員一致で、F1への単一タイヤサプライヤー導入を要望してきている。これは2008年に向けて合意されていたが、ミシュランの発表により、2007年からの導入が実現しそうだ。各チームは、これを歓迎するはずだ」
「単一タイヤサプライヤーとなることで、間違いなくF1はより公平で、より安全で、チームの出費もより少ないものとなるはずだが、とりわけ、2005年のアメリカGPで起きたような問題が再び起こらずにすむようになるはずだ」
ミシュランは2006年末までは引き続き、マクラーレン、ルノー、ホンダ、レッドブル、トロ・ロッソの合計5チームにタイヤを供給する。