ホンダ・レーシングF1は、2006年のニューマシンRA106の初走行を、来年1月25日、バルセロナでのテストにおいて行うことを明らかにした。
新車を持ち込むまでの間には、5回のテストが予定されており、この1回目のテストが、先週バルセロナで行われ、ジェンソン・バトンとアンソニー・デイビッドソンが“コンセプトカー”を走行した。新車デビューまでは、2005年型シャシーに、新しくデザインしたリヤ、コンポーネント、そして一新されたホンダV8エンジンを搭載したコンセプトカーでテストを行う。
テスト初日の朝は冷え込みが厳しく、予定より遅れてテストが始まった。デイビッドソンがコンセプトカーをシェイクダウンし、40周を走り込んだ。一方、バトンは2005年型マシンを駆り、102周を走り込んだ。
チームと再契約を結ぶと見られているデイビッドソンは次のように語った。「新しい“コンセプトカー”のシェイクダウン走行は素晴らしかった。エンジンもいい感触だった。もちろん、向こう数週間で改良すべき点もある。エンジンのパワーや感触、全体的な信頼性の良さには驚いた。特にドライバビリティの作業を多く行い、3日間でかなり進化した」
2日目もコンセプトカーのシェイクダウン走行を続け、午前中にデイビッドソンが47周、午後からはバトンが引き継いでこのマシンに初めて乗り込み、37周を走り込んだ。マシンは初日に続き、信頼性の高い走りを見せた。また、デイビッドソンとバトンは2005年型マシンで空力パーツとサスペンションのテストにも臨み、バトンが58周、デイビッドソンが30周を走り込んだ。
ホンダの中本修平エンジニアリングディレクターは、かなり話題に上っていたエンジンのバイブレーションはテスト前に予想した範囲内だったが、ドライバビリティなど他の面で、今後数週間のうちに更なる作業が必要な部分があったと語っている。
チーフテストエンジニアのマーク・エリスは次のようにコメントした。「新型V8エンジンも、来季用の電気系システム、ギヤボックス、油圧システムも、引き続き大きな問題もなく稼動しており、2006年シーズンに向けていいスタートが切れている。エンジンもレギュレーションも新しくなり、すべてのことがすっかり変わった。私たちはすでに、シャシーとエンジンとタイヤを適合させ最適化を進めている。今回は2005年型シャシーを使った最後の本格的なテストでもある。同シャシーを用いて今週は空力テストも行った」
最終日は雨が激しく降る、相変わらず冷たいコンディションとなり、午前中のコース走行に支障が出た。セッション開始とともにデイビッドソンが2005年型マシンに乗ってインスタレーション走行としてわずか4ラップをしたにとどまった。一方、バトンはコンセプトカーをドライブする予定だったものの、午前中はガレージで待機していた。
午後3時ごろ、トラックはようやく走行可能なコンディションとなり、バトンがコンセプトカーで初のウエットコンディションの中、23ラップを周回し、エンジンのセッティングを行った。一方、デイビッドソンは2005年型マシンを駆って、ウエットタイヤの評価テストを行った。
「天気が悪かったのが残念だったが、午後はV8エンジンをテストし、テストプログラムを進めることができた」とバトン。「新型エンジンはスムーズに動き、問題もなく、よかった。2005年型マシンにも乗って、空力パーツの評価テストを行い、これもうまくいった。とてもいいテストだった。来週のヘレスでのテスト準備に向けて、たくさんの情報が手に入ったよ」