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マイクガスコイン「リスクを負わないために新フロントサスを投入」

2005年11月23日

 トヨタのテクニカルディレクター、マイク・ガスコインが今年のシーズンを振り返り、TF105Bに起こりうる構造的な問題を把握しておきながら、それをあえて投入した理由や、05シーズン中盤で勢いを失った理由、ふたりのドライバーのパフォーマンスについて語った。

Q:マイク、シーズン序盤のトヨタの強さは、人々を驚かせたと思いますか?

マイク・ガスコイン(MG):私たちは去年のものによく似た、かなり初期的なスペックのマシンで新車発表会をして、いろいろ言われたね。あれは、意図的だったんだ。オーストラリアGPで、大幅な空力の改良ができるとわかっていたからね。かなりのパフォーマンスが期待できるとわかっていた。シーズン前のテストは、再舗装されたバルセロナのテストがうまくいかなかったほかは、みな満足のいくものだった。搭載していた燃料の量からして、自分たちのマシンのパフォーマンスは大丈夫だと思っていたよ。
 シーズン末までに、2番目か3番目に速いマシンになることを目指していると言ったら、馬鹿げているとさんざん叩かれたが、私には自信があった。開幕戦はウエットの予選になり、私たちは1列目に入った。ヤルノ(トゥルーリ)にはタイヤのドロップオフの問題があったが、彼の最初のスティントはかなりコンペティティブなようだった。誰もが、あれは一時的な活躍にすぎないと見なしたようだが、私たちとしては、あれがあのマシンの真の速さだと考えていた。マレーシアとバーレーンで同じことを実力で成し遂げ、2位に2度入っても、私たちは驚かなかったよ。

Q:シーズンを通じての展開については、どう評価されますか?

MG:私たちはシーズン初めには、ルノーからコンマ3秒か4秒の遅れで、序盤不調だったマクラーレンには、ありがたいことにいい目にあわせてもらったね。シーズン序盤は、レースごとに空力の改善を施し、開発はコンスタントに進んでいた。マシンも一歩一歩、軽量化していったんだ。
 シーズン中盤は、いくつかのレースでリヤエンドの不安定さに悩まされたが、マシンに何カ所か改良を施したらよくなって、最後の5戦か6戦はとてもコンスタントに走れた。『スタートはよかったが他チームほど開発がうまくいかなかった』という見方はフェアではないと思う。終盤近くのレースで、多くの場合、3番目に速いマシンという位置を守れていたと考えているから。それにたぶん、シーズン初めと同じく、ルノーからコンマ3秒か4秒の遅れだった。途中で置いて行かれたとは思わないね。

Q:序盤の勢いを持続できなかったのはなぜだと思いますか。

MG:確かに、いくつかの結果は取り逃がした。モナコではかなりいいところにいけたはずなのに、ラルフ(シューマッハー)が予選でアクシデントに見舞われ、それが次の出走だったヤルノにも影響した。あそこでは間違いなく表彰台に乗れていたはずだったと思う。ニュルブルクリンクでは、ヤルノは表彰台に乗れていたかもしれないのに、私たちはマシンを時間通りにスタートさせることができなかった。そしてカナダでも、彼は表彰台圏内を走行中に、ブレーキトラブルに遭ってしまった。ハンガリーでは3位と4位だったし、スパのウエット状態ではまたコンペティティブだったが、作戦で失敗してしまった。
 私としてはそこそこ満足しているが、取り逃がしたチャンスは惜しかったと思う。そういう失敗とインディアナポリスのせいで、選手権3位になれなかったのだから。3位になれていれば、非常に満足できたはずだ。
 だが全体としては、私たちは一番進歩したチームだと言うべきだし、いい仕事をしてきて、来季に向けていいポジションにいると言っていいだろう。シーズンが終わらないうちに、Bスペックのマシンを導入できたくらいだからね。


Q:TF105Bの新型フロントサスペンションは、どういう考えで導入されたのですか?

MG:TF105Bは確かに、以前と違ったフロントサスペンションで、風洞ではかなりのパフォーマンス向上があるとわかった――予想以上にね。構造的に簡単に取り付けられるものではないので、私は来年1月に(新車で初めて)それを試すというリスクを冒したくなかった。その段階でトラブルが起きれば、シーズン開幕までに対処しようとしても間に合わないから、TF105に取り付けてみることにしたんだ。
 それに伴って、いくらか妥協もあったが、基本的にはあれはテストカーのつもりだった。何であれ、2度目にやるときはずっとうまくやれるものだ。最初のときに、あらゆる問題点がわかるからね。それこそまさに、実行に移す原動力だったのだ。最後の何戦かで導入できるという条件つきでね。
 この手のフロントサスペンションには、いくらかメカニカルな困難が伴う。空力的に有利になっても、それと引き替えに、ある程度メカニカルな損失があったりする。最初のテストではいくつか問題があったが、実のところ、予想以上といえるほどポジティブな前進だとわかった。テスト禁止期間を前にして、マシンをレースで走らせ、そこから学んでおいたのは賢いことだったよ。

Q:ドライバーたちのパフォーマンスには満足でしたか?

MG:ああ。ラルフは、予選のパフォーマンスの点でかなり自己批判しているが、彼はたくさんのポイントを獲得してくれた。
 ヤルノは予選と、私たちがコンスタントなマシンを与えることができたレースでは、素晴らしい活躍をした。彼は、モナコとニュルブルクリンクとカナダで表彰台のチャンスを逸したことを、本当に残念がっているよ。

Q:あなたは、前にもあのふたりと働いたことがありますね。彼らのレベルは予想した通りでしたか?

MG:ふたりとも、前よりよくなっている。間違いなく、ヤルノは前に一緒に働いたときよりいいドライバーになっているし、ラルフも前より成熟した。ふたりとも前に持っていた才能を今も持っているが、さらに熟練したドライバーになっているよ。




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