MF1レーシング(元ジョーダン・グランプリ)は、2006年F1世界選手権へのエントリーをロシア国籍で行った。これにより、F1史上初めてのロシアチームが誕生したことになる。
ミッドランド会長でMF1レーシングの創始者、アレックス・シュナイダーが17日、ロシア自動車連盟(RAF)会長ビクトル・キリヤノフから、同チームが2006年の選手権にエントリーするための公式ライセンスを受け取った。これはF1の統治団体であるFIAが定めたルールに則したもので、F1世界選手権に参戦しようとするチームは、エントリー申請書に、各国のモータースポーツ統轄団体が発行したライセンスを添付して提出しなければならない。
シュナイダーは次のように述べている。
「ロシアで生まれた者として、ミッドランド・グループによって設立されたチームがF1世界選手権をロシア国籍で戦えることに、大きな喜びを感じている」
「ロシアで発行されたライセンスにより――つまり我々のプロジェクトの核となる目標や価値を反映するつながりを持って――F1にエントリーすることは、ずっと、ミッドランドの意図するところだった。我々を支持してくれたRAFおよびビクトル・キリヤノフ会長には、心から感謝している」
「ミッドランド・グループがそのチームをロシア国籍でエントリーするという決定を下したことによって、ロシア国内のモータースポーツがより一層の発展を遂げ、国際レベルで戦うロシア人ドライバーの目の前に新たな展望が開けるものと信じている。この目標を達成するためならば、MF1レーシングはいかなる努力をも惜しまないだろう。また、このチャレンジングで極めて重大な事業の中で、ロシア国内の諸団体や各企業と協力し合うことは、我々も大歓迎である」
これに対してRAFのキリヤノフは、次のようにコメントしている。
「ロシアのモータースポーツ界が発展するには、大手企業からのサポートが欠かせない。ミッドランド・グループのおかげで、我が国が世界で最も重要なレーシング・シリーズに参加できることになり、私は大変に嬉しく思っている」
「ロシアのチームがF1に参入することは、大いなる前進だ。これは、ロシアのモータースポーツ界だけでなく、現代社会の中で益々の躍進を果たしたいと願っている国家にとっても同じである。ロシア国内のライセンスを取得したことにより、ロシア国内のモータースポーツと我が国が、国際的なモータースポーツの頂点へと向かう長い旅路の、その第一歩を踏み出した。私は、私たちの協力体制が実を結び、いつかはロシア人ドライバーがF1のレースに出場して、さらに勝利してくれたらと願っている」
一方、バーニー・エクレストンは、初のロシア・チームが誕生してF1に参戦するという今回の発表を歓迎している。
「ロシア国内のライセンスを取得したチームがF1に現れたことは、非常に喜ばしい」とエクレストン。
「MF1レーシングは、ロシア国内だけでなく、世界中の関心を引くものと確信している。アレックス・シュナイダーとチームが健闘し、彼らに偉大なる国家のサポートがもたらされることを願っている」