トヨタチームの冨田務代表は、2006年はルノーやマクラーレンなどとの差を縮め、F1初勝利を目指していくが、V10エンジンからV8への変更がその目標への後押しをしてくれるかもしれないと考えている。
冨田氏はまた、ミシュランからブリヂストンへのタイヤの変更も、自分たちの目標達成の助けになるだろうと考えている。
とはいえ、来季について、またV8エンジンへの変更について尋ねられた冨田氏は、少々困難なことでもあると認めた。
「V8エンジン、新しいタイヤサプライヤー、V8エンジンの長さに合わせた新しいシャシー、あらゆる空力パーツといった問題に取り組まなければならない。しかも限られた時間内でね。これは非常に困難な課題だ。しかし、このような新たな機会を利用できればいいと思う」と冨田氏は語った。
「現在のところは、すべてのチームがV8エンジンから十分なパワーと信頼性を得られるかどうかを心配していると思う。しかし、私たちがそれを冬季テストの間に達成し、バーレーンでの来季開幕戦までにいい状態に持って行けると、私は確信している」
トヨタチームは今年、マニュファクチャラーズ選手権で4位となり、5度の表彰台を獲得した。来季の目標として、冨田氏は、ドライバーたちにもう一歩上を目指してもらいたいと考えている。
「私たちは2006年に初勝利を挙げなくてはならない。それが私の目標だ。それが現実的であろうとなかろうと、どうなるかはまだ分からないが、F1で戦う決断をしたからには一番上に挑戦していかねばならないのだ」
「トヨタ・レーシングが今いる位置を説明するのに、私は富士山のイメージをよく使う。今現在、私たちは富士山の7合目にいる。これは、立派なことだし喜ぶべき成果だが、残された行程を見上げると、それはさらに厳しく、いっそう大変なものなのだ。しかし、それを登りきれたとき、その成果はそれだけいっそう喜ばしいものになるだろう」