この数週間、F1界の話題の中心は、BMW F1チームのセカンドシートは誰が射止めるのか、ということだ。しかし、それがジャック・ビルヌーブだと予想する向きは少ない。
ビルヌーブ自身は、新たにワークスとして本格始動するBMWに残留できるという自信を依然として持っており、ニック・ハイドフェルドのチームメイトとなる期待に胸を躍らせている、という発言を何度も繰り返している。現在BMWにはリザーブドライバーを含めふたつの空きシートがあるが、当の本人はいかなる契約もかわしていないと述べているにもかかわらず、ダン・ウェルドンの名前がたびたび取りざたされている。
IRLの新チャンピオンに輝いたウェルドンについては、アンドレッティ・グリーン・レーシングとの契約を更新していないことが判明してからというもの、BMW、ウイリアムズ、ホンダと関連づけるウワサが流れてきた。ところが、ウイリアムズに関しては、ニコ・ロズベルグがレギュラードライバーに決定したため、空いているのはサードドライバーのポジションだけとなった。また、ホンダ・エンジン搭載のスーパー・アグリ・チームは、オール・ジャパンで始動する可能性も考えられ、そうすると、ウェルドンの目指せるレースシートはBMWだけになってしまう。
もちろん、ウェルドンがサードドライバーに収まる可能性はある。もし2007年のレースシートが保証されるならば、毎戦金曜にF1マシンを走らせてF1を学び始めることができるというのは都合がいいからだ。そうなった場合、BMWは、ビルヌーブを残留させ、1年後に彼に代わってウェルドンをレギュラードライバーに昇格させるかもしれない。来年、ビルヌーブとザウバーの間でかわした2年目の契約が残っているのだが、そうすれば、彼に契約料を払い戻さないで済むからだ。
当然ながら、ハイドフェルドのパートナー候補として噂されているのはウェルドンだけではなく、アントニオ・ピッツォニアやクリスチャン・クリエンの名前も挙がっている。