BARホンダの「ボンネビル400」プロジェクトが、基本的にはグランプリカーと同一のマシンで時速400kmを超えるという当初の目標を達成した。ただし、これが新記録として公認されるためには、来シーズン早々に同様の速度をもう一度記録する必要がある。
南アフリカ出身の開発ドライバー、アラン・バン・デル・メルベは、カリフォルニア州のモハベ空軍基地でのテストランにおいて、すでに3回にわたって400km/hの壁を破った。しかし、ユタ州ボンネビル・ソルトフラットでの正式な記録挑戦は雨で中断されたため、最高速度413.205km/hは未公認のままとなっている。
チームの速度記録挑戦のウエブサイトによれば、スピードは3つの方法で計測された。ひとつは車に取り付けられたピトー管、もうひとつは66フィートのスピードトラップ、そして警察が速度取り締まりに使用するレーダーガンも持ち込まれたが、これは計測可能範囲の上限である時速205kmを簡単に振り切ってしまい、まるで使いものにならなかった。
テスト中の唯一の問題は、絶えることのない横風だった。この風は時には風速60ノットにも達し、速度記録への挑戦に用いられるランウエイに砂ぼこりを吹き付けた。
「クルマには何の問題もなかった」と、エンジニアのゲイリー・サベージは報告している。「ただ、そこら中が砂ぼこりだらけでね。タンブルウィード(球状になって転がる枯れた植物)が風に吹かれてコースを横切ったりして、まるで西部劇の世界にいるみたいだったよ。でも、とても勇気付けられる一日だったし、今度はこのボンネビルで今回の速度を上回る記録を達成できるという自信を得た」
チームは、気象条件がより速度記録に適しているであろう来年春の終わりごろに、再びこのソルトフラットを訪れたいと考えている。