1989年以来、久しぶりにビンケルホックの名前がF1に帰ってくる。来月のヘレスでのテストで、マルクス・ビンケルホックがミッドランドF1のマシンをドライブするのだ。
マンフレート・ビンケルホックの息子で、ヨアキムの甥でもある25歳のマルクスは、ミッドランドが12月10日に行うワンデーテストに招かれた。これは有望な若手の発掘プログラムの一環であり、GTレーサーのトマス・ビアッジも同じテストでF1マシンの初ドライブを経験することになっている。
今年のワールドシリーズbyルノーで3勝を挙げ、シリーズ3位でシーズンを終えたマルクスは、父の後を追ってF1を目指すための準備として11月16日にシルバーストンのミッドランドのファクトリーでシート合わせを行う予定。彼の父親のマンフレート・ビンケルホックは、1980年から85年までの間にF1で4シーズンを過ごした。だが、ドライブしたのはATSやRAMといった戦闘力に劣るマシンばかりで、その後はスポーツカーレースに転じ、85年にカナダのモスポートで起きたアクシデントで命を落とした。ツーリングカードライバーとして知られる叔父のヨアキムも、1989年にAGSでグランプリ7戦に参加し、すべて予備予選落ちを喫した記録が残っている。
「これは僕にとって初めてF1カーをドライブする素晴らしいチャンスだ」と、ビンケルホックJrはこのミッドランドのテストについて述べた。「この機会は僕に大きすぎるプレッシャーを与えるものではないが、僕は今年のワールドシリーズで総合3位になっているし、シングルシーターには十分に慣れているつもりだ。チームのためにいい仕事ができればいいね」
ミッドランドは先週クリスチャン・アルバースとレースドライバーとして契約を交わしたが、その数日前には同じオランダ人のニッキー・パストレリとテストおよびリザーブドライバーとしての契約を結んでおり、2006年の3つのシートのうち2つがすでに決まっている。